イブニングセミナー(第232回)「薬を知ると,正しい使い方が見えてくる」
企 画 技術と社会部門
開催日 2019年9月25日(水)18.00~20.00
趣 旨
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.
技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.
われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.
技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
テーマおよび講師
医薬品は,販売までに長い年月と膨大な費用をかけて有効性と安全性が調べられ,さらに剤形などに様々な工夫がなされて,より有効性を高める研究が行われている.こうした内容は,薬剤師からの服薬指導で患者に伝えられるべきだが,満足に伝えられているとは言い難い.
より有効な伝達には,薬剤師の資質の向上とともに,患者の薬に対する知識レベルの向上が不可欠である.今回の「薬を知ると,正しい使い方が見えてくる」においては,その知識レベルを高めるために「“なぜ?”のコミュニケーション」が必要であることを感じてもらうことを目的とする.
薬の旅(動態)を追いながら,薬のより効果的な吸収を追及する①製剤,
体内に吸収された後,最初に通過する肝臓での②代謝,
さらに目的臓器・器官における③作用
について概説する.
①製剤では,腸溶性製剤,徐放性製剤,経皮吸収製剤を取り上げ,これらにおける工夫と正しく服用しないと,“なぜ”期待する効果が得られないのか?“なぜ”思わぬ副作用が表れるのかを考える.
②代謝では,酵素の働きと,医薬品(食品も含む)による酵素誘導(酵素が増える)と酵素阻害から,飲み合わせで,“なぜ”効果の変化や危険性が現れるかを考える.
③作用では,アゴニスト(作用薬/作動薬)と(拮抗薬)を取り上げ,薬の有効性と危険性を考える.
講師: 加藤哲太〔(一社)日本くすり教育研究所 代表理事〕
次回の予定
2019年10月30日(水)低音巨大フルートに挑む/古田土勝市(古田土フルート工房)
2019年11月27日(水)テーマ:おもちゃ/北村亮男(タカラトミー)