イブニングセミナー(第230回) 技術者の「良い仕事」を目指す
企画 技術と社会部門
開催日 2019年7月31日(水)18.00~20.00
趣旨
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
講演テーマおよび講師
「良い仕事」と言われて思い浮かぶのは,「勤勉であること」あるいは「会社の売上に貢献すること」といったイメージであろう.
しかし会社の成果に直結するこのようなイメージから一歩離れ,自らの倫理的観点に立った「良い仕事」を発想したらどのような
内容が浮かんでくるだろう.
ここでは「良い仕事」とは次の5つの側面から評価することと定める.
①自律性があるか
②創造性があるか
③自立性を備えているか
④影響力を発揮しているか
⑤マイナス要因も忘れずに考慮しているか
自らの価値基準でもある倫理の側面に十分な配慮をして「良い仕事」を行うことで,当人はより高度な自己実現を達成し,それと同時に企業は社会への配慮を基に新たなビジネスを創造できる.その結果として,より豊かな社会が招来されることになるであろう.具体例を交えながら,技術者にとってどのような「良い仕事」が可能なのかを紹介する.
講師:佐藤 国仁 (有)佐藤R&D代表
次回の予定
2019年8月28日(水)テーマ:日本海/蒲生俊敬(東京大学名誉教授)
2019年9月25日(水)テーマ:未定
2019年10月30日(水)低音巨大フルートに挑む/古田土勝市(古田土フルート工房)