特別講演会 「実践に向けた最適設計法」
2019年2月01日 | 設計工学・システム部門特別講演会主催No.18-159
企 画 設計工学・システム部門
協 賛 精密工学会,自動車技術会,日本航空宇宙学会,日本設計工学会,日本計算工学会,塑性加工学会,日本船舶海洋工学会
開催日 2019年2月1日(金) 13:30~16:20
主 旨
この特別講演会は,2018年9月6日(木)に開催した講習会 「実践に向けた最適設計法~多目的最適化/近似最適化編」(No. 18-41)において,同日早朝に発生した北海道胆振東部地震のために会場にお越しいただけなかった講師の杉本博之先生(北海学園大学 名誉教授)の講演を行うために企画しました.また,同時に,参加者から好評であった荒川雅生先生(香川大学 教授)に,再度,講演をしていただきます.最適設計への実践例および実践的な設計問題を定式化するための工夫を中心に講演していただきます.
題 目
- 13:30-14:30
「生物由来の最適化手法について」
北海学園大学 名誉教授 杉本 博之
本講演では,生物由来の最適化法である組み合わせ問題の解法を,工学最適設計問題に適用した事例について説明する.紹介する事例として,道路補修順序の計画問題(比較的広い地域にわたる道路ネットワークが自然災害により破壊された場合の補修順序を決定する問題)をとりあげる.この大規模な問題に対し,遺伝的アルゴリズム(GA)を適用するにあたって,単に得られた最適設計例を示すだけでなく,設計問題や設計変数をどう定義するとよいかなど,従来あまり説明されてこなかった過程についての解説も試みる.
休憩(10分)
- 14:40-16:00
「最適化の実践事例紹介」
香川大学工学研究科 教授 荒川 雅生
本講演では,具体的な最適化の実践事例に関してそのいくつかを紹介する.例えば,厚板のラウンド曲げの場合,厚板の曲げと言う非線形性の高い解析が必要となる.そして,非線形パラメータを正確に把握することは困難である.結果として解析結果を利用してラウンド曲げを実践することが難しい.ところが,材料パラメータの同定に多目的近似最適化を利用することで,実験結果に合うパラメータの同定が可能であり,それに基づいた解析から現実にあった曲げ方法の提案ができる.このような材料パラメータの同定方法に関する実例を紹介する.さらに,混合変数問題への対応として遺伝的アルゴリズムを用いた大規模な問題への対応の事例を紹介し,少しの工夫で規模の問題への対応が可能であることを紹介する.
3. 16:00-16:20
質疑応答&まとめ
定員 50名