イブニングセミナー(第222回)日本文明とエネルギー -水力の底力-
企画 技術と社会部門
開催日 2018年10月31日(水)18.00~20.00
趣旨
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.
われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.
技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
講演テーマおよび講師
現在の日本のエネルギー自給率は7%である.世界史と日本史を振り返って断言できることは,エネルギー自給率7%の文明は持続可能ではない.もっとはっきり言えば,存続できない.
21世紀の現在,私どもがやるべきことは,50年先を見通して次世代の人々に自立したエネルギーを準備しておくことである.
日本が保有している資源の最大のものは,無限で膨大な太陽エネルギーである.ただし,この太陽エネルギーは単位面積当たりのエネルギー量が薄いという欠点を持っている.
しかし,日本国土の70%が山地であり,その山地が薄い太陽エネルギーの雨を集めて,濃い水力エネルギーにしてくれる.
この水力エネルギーを最大限に活用,開発していくことが次世代への責務である.しかし,巨大なダムをいくつも造る状況にはない.
今後,既存のダムの有効活用と分散型の小水力が重要なテーマとなる.
講師:竹村公太郎(日本水フォーラム事務局長,もと国土交通省河川局長)
懇親会
明治大学アカデミーコモン1階の「カフェパンセ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.セミナー後に懇親会場にて受付.
参加会費は 3,000円,学生は半額.
次回以降の予定:
2018年11月28日(水) 仮題:「共に生きるために-アジアの農業指導者を指導する-」
荒川朋子(アジア学院 アジア農村指導者養成専門学校 校長)
2018年12月19日(水) テーマ:日本の城(第157回ESの続き)