ステップアップ・セミナー2018 再生可能エネルギーの今を考える
日本機械学会関西支部
協賛
日本ガスタービン学会,可視化情報学会,計測自動制御学会関西支部,精密工学会関西支部,システム制御情報学会,日本金属学会関西支部,日本計算工学会,日本材料学会関西支部,日本流体力学会,日本塑性加工学会関西支部,日本マリンエンジニアリング学会,化学工学会関西支部,日本航空宇宙学会関西支部,溶接学会関西支部,日本船舶海洋工学会関西支部,日本冷凍空調学会,日本燃焼学会,日本鉄鋼協会関西支部,自動車技術会関西支部,ターボ機械協会,日本バーナ研究会,滋賀経済産業協会,京都工業会,奈良経済産業協会,兵庫工業会,大阪科学技術センター,日本技術士会近畿本部
日時 2018年11月30日(金) 9:30~17:00
趣旨
我が国におけるエネルギー供給において,石油や石炭,天然ガスなどの化石燃料が8割以上を占め,その殆どが海外に依存して
います.また新興国の経済発展などを背景にした世界的なエネルギー需要の増大や,化石燃料の利用に伴って発生する温室効果
ガスの削減も重要な課題となっています.さらに東日本大震災以来,電力安定供給と地球温暖化防止を満たす原子力発電への風
当たりは厳しい状況が続いております.
このような状況の中,エネルギーの安定的かつ適切な供給のためには,資源枯渇の恐れが少なく,環境負荷が少ない太陽光やバイオ
マスといった再生可能エネルギーの導入を進めることが必要と言われております.同エネルギーの導入拡大は,環境関連産業の育成
や雇用の創出といった経済対策としての効果も期待されていますが,一方で我が国は世界と比較するとやや出遅れている感は否めま
せん.
本セミナーでは,再生可能エネルギーに関する社会的な仕組みや技術開発の現状,導入に向けた課題,また再生可能エネルギーに対
する意見や思惑,など各方面から興味深い話題提供をして頂くことで,再生可能エネルギーについて改めて考えてみたいと思いま
す.
キーワード: 再生可能エネルギー,持続可能(サスティナブル),地球温暖化防止,化石燃料(枯渇性エネルギー)
プログラム:
9:30~9:40 開会挨拶
日本機械学会関西支部 支部長 田中 正夫
9:40~10:40 エネルギー基本計画と再生可能エネルギー
日本のエネルギー政策と現状,及び再生可能エネルギーの推進について,以下のような構成で説明する.
・日本のエネルギー供給・消費・自給率等の推移と現状
・エネルギー基本計画とエネルギーミックス
・再生可能エネルギーの導入の推移と課題
・再生可能エネルギーの固定価格買取制度と設備の導入支援策
近畿経済産業局 資源エネルギー環境部 エネルギー対策課 課長補佐 岡村 琢暢氏
10:50~11:50 再生可能エネルギーの現状・課題と取り組み
2011年の東日本大震災と福島第一原子力発電所の事故,2016年のパリ協定の発効を機に,我が国においても再生可能エネルギーの持続的な普及拡大,主力電源化を目指すための議論が行われており,再生可能エネルギーに求められる役割は今までになく重要なものとなっている.本講演では,再生可能エネルギーを巡る状況と課題,太陽光発電や風力発電等のコスト低減や立地制約の解消に向けた技術開発など,再生可能エネルギーの利用拡大と社会実装を確実にするためのNEDOの取り組みを紹介する.
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO) 新エネルギー部長 近藤 裕之氏
13:00~14:00 エネルギー源の多様化を基軸としたエネルギーのベストミックス-再生可能エネルギー導入拡大とCO2フリー水素の役割-
水素エネルギーの導入には,温暖化対策やエネルギーセキュリティー確保に十分な量的寄与が出なくてはならない.水素は多様なエネルギー源から製造することができるとともに,電力を大規模かつ長期的に貯蔵することが可能で,電力系統の安定化や余剰電力貯蔵により再生可能エネルギー導入拡大に大きく貢献できる.このような再生可能エネルギー起源CO2フリー水素のエネルギー源の多様化や脱炭素社会構築に果たす役割について述べるとともに,進行中の各種プロジェクトを紹介する.
東京工業大学 科学技術創成研究院 特命教授 岡崎 健氏
14:10~15:10 再生可能エネルギー導入時における火力発電のメリットオーダーの変化と調整力の価値評価に向けた取り組み
2030年に向けた長期エネルギー需給見通しでは再生可能エネルギー(再エネ)による発電電力量を22~24%(kWhベース)とする目標が掲げられている.再エネの中でも太陽光発電や風力発電は設備稼働率が低いことから,発電設備容量(kWベース)としてはそれぞれ6400万kW,1000万kWと大量に導入する必要がある.これらの再エネは時刻や天候により出力が変動する自然変動電源であり,大きく変動する再エネ出力と電力需要のバランスを調整する役割は現時点では主に火力発電や揚水発電が担っている.本講演では,2030年の長期需給見通しで示された目標に向けて太陽光発電の導入が進んだ場合の,火力発電や揚水発電のメリットオーダーの変化について述べる.また,再エネ導入拡大時の火力発電の調整力と需給安定性の関係について一例を述べ,火力発電の調整価値を評価する手法についての取り組みを紹介する.
電力中央研究所 エネルギー技術研究所 上席研究員 吉葉 史彦氏
15:20~16:50 太陽光発電設備がもたらす「公害」に関する諸問題
2011年3月の東日本大震災と福島第一原発の深刻な事故を契機に施行された再エネ特措法により太陽光発電設備が急増し,その導入量は2016年度末時点で約38GWにも達している.これに伴い太陽光発電設備を原因とする事故や環境破壊も顕在化し始めている.本講演では,このような太陽光発電設備の安全にまつわる実態と問題を技術的観点だけでなく社会学や科学哲学の観点から論じ,再生可能エネルギー普及のあるべき姿とその実現のために求められるべき技術者倫理に関する私見を述べる.
産業技術総合研究所 太陽光発電研究センター 上級主任研究員 加藤 和彦氏
16:50~17:00 閉会挨拶
日本機械学会関西支部 副支部長 伊藤 宏幸
定員 100名
申込締切 2018年11月22日(木)(締切後でも定員に余裕があれば受け付けますのでお問合せ下さい)
その他
(1)申込み受付後,聴講券をお送りしますので必ずご持参ください.
(2)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.
※お申込みの際にご提供いただいた個人情報は,当該行事の運営業務のために利用するほか,当支部が主催する講習会・セミナー
のご案内のために利用させていただきます.今後のご案内が不要の場合はお知らせください.
※記録用に写真を撮影し,ニュースレターなどに掲載させていただくことがございます.