イブニングセミナー(第221回)世界のバーチャルエンジニアリングの実態と日本の課題
企画 技術と社会部門
開催日 2018年9月26日(水)18.00~20.00
趣旨
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.
われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.
技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
講演テーマおよび講師
ドイツのIndustry4.0 を例に,世界の設計/開発/ものづくり環境が大きく変革し,3D設計,デジタルのVirtual Engineering に移行
している.このような状況の流れと背景を調べると世界を驚かせた日本の高度成長期が起点であったことが判る.
ところが,日本の機械産業の一部では3D/CAE/Virtual の活用,価値を共有しないまま新しい時代の中で取り残され,“Digital
Divide”(注1)になっているように思われる.この30~40年の欧州の動きを眺めるとものづくり改革のシナリオが見えてくる.
(注1)Digital Divide:Digital を活用している人と活用してない人に格差が生じていると1990 年代半ばにUSA ゴア副大統領が用いた語.この格差は人と人の間だけでなく,組織間,企業間等にまで及んでおり,また,国レベルでDigital Divide に陥っている状況が世界で見られる.
講師:内田孝尚(日本機械学会フェロー)
懇親会
明治大学アカデミーコモン1階の「カフェパンセ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.
セミナー後に懇親会場にて受付.
参加会費は 3,000円,学生は半額
次回以降の予定:
2018年10月31日(水)「日本文明とエネルギー問題 ‐水力発電の底力-」
竹村公太郎(日本水フォーラム事務局長、元国土交通省河川局長)
2018年11月28日(水) 仮題:「共に生きるために-アジアの農業指導者を指導する-」
荒川朋子(アジア学院 アジア農村指導者養成専門学校 校長)