関西支部 第358回講習会 実務者のための流体解析技術の基礎と応用(各種シミュレーション技術の適用事例紹介付き)
協 賛
日本ガスタービン学会,可視化情報学会,計測自動制御学会関西支部,精密工学会関西支部,システム制御情報学会,日本金属学会関西支部,日本計算工学会,日本材料学会関西支部,日本流体力学会,日本塑性加工学会関西支部,日本マリンエンジニアリング学会,化学工学会関西支部,日本化学会,日本伝熱学会,日本航空宇宙学会関西支部,溶接学会関西支部,日本船舶海洋工学会,日本冷凍空調学会,日本燃焼学会,日本鉄鋼協会関西支部,自動車技術会関西支部,ターボ機械協会,日本バーナ研究会,滋賀経済産業協会,京都工業会,奈良経済産業協会,兵庫工業会,計算科学振興財団,大阪科学技術センター
日時
2018年10月30日(火)9:20~17:35
2018年10月31日(水)9:00~17:15
趣 旨
製品あるいは要素技術の開発期間の短縮・高精度化が進み,設計現場における流体解析の重要性が増してきています.本講習会では,流体解析の基礎理論,モデル化の考え方,解析結果を設計に生かすための情報抽出技術等を分かり易く説明するとともに,最新の解析手法や適用事例の紹介を通して,実務者に役立つ講習会に拘っています.講習会の2日目には,近年,従来の工学的手法と情報科学的アプローチを融合し,有用な情報を抽出する新しい問題解決手段として着目されているフルードインフォマティクスや,大規模な並列計算等での活用が期待されるオープンソースのCFDコード「OpenFOAM」を用いた事例を中心に企画しました.これから設計,開発,研究部門などで熱流体,複雑流れに取り組もうとされる若手技術者,研究者の方々はもちろん,既に流体解析に取り組まれている中堅技術者の方々含めたすべての方を対象としております.2日間で幅広く習得できるように構成しておりますので,奮ってご参加ください.
キーワード 熱流体,流動,乱流,CFD,流体設計,ターボ機械,可視化,フルードインフォマティクス,OpenFOAM
題目・内容・講師
第1日目:10月30日(火)
9:20~9:25 開会の挨拶
9:25~10:35 流れの数値計算の基礎
流動現象の数値シミュレーションに関して,離散化の方法,基本的な計算スキーム,解像度と信頼性,計算領域と境界条件,結果の検証について基本的な事柄を解説する.また,レイノルズ数,マッハ数などの指標に応じた解法の種別について概説する.
大阪大学 大学院工学研究科 梶島 岳夫
10:50~12:40 乱流数値解析の基礎
機械工学における乱流現象も一般にはナヴィエ・ストークス方程式に支配されるが,これを直接計算することは非現実的なことが多く,RANS, LESなどの多様な乱流モデルがあり,それぞれに応じた計算法が存在する.本講では,物理モデルの基本的な考え方と特色について,数値計算法と関連づけて概説する.
大阪大学 大学院工学研究科 梶島 岳夫
13:40~15:30 熱流体数値解析の基礎と応用
熱流動場のCFD解析についての注意点や乱流熱流動モデルについての基礎から最新の話題まで丁寧に解説する.そして,応用計算をするにあたって実用の観点から,何処に注意したらよいか,どういう場合に何を選択したら良いかの指針を示す.
大阪府立大学 大学院工学研究科 須賀 一彦
15:45~17:35 複雑内部流れ場の知的可視化と流動診断
CFD結果から流体力学的に意味のある情報を抽出・表示する知的可視化技術として,渦構造の同定法および限界流線のトポロジー解析を概説するとともに,知的可視化技術を適用することによって,ターボ機械の内部流れ場で発現する複雑な流動現象を解明した流動診断事例を紹介する.
九州大学 大学院工学研究院 古川 雅人
第2日目:10月31日(水)
9:00~10:30 フルードインフォマティクス2.0
2010年,日本機械学会編「フルードインフォマティクス―「流体科学」と「情報科学」の融合―」が出版された.科学技術イノベーション総合戦略2017でSociety 5.0 の実現が謳われる今日,その重要性はますます高まっている.フルードインフォマティクスの新たな展開を概説する.
東北大学 流体科学研究所 大林 茂
10:45~11:45 流体解析・設計における不確かさの定量的評価
実世界に見られる流体現象は,無数の不確かな物理要因が複雑に絡み合って発生する.流体現象の再現を目的とした数値解析は通常,こういった不確かさの存在を無視して単純化されることが多く,その結果は実現象とかけ離れたものとなる.また工学設計においても,製造誤差や環境揺らぎなどの不確かさが存在し,設計対象とする製品の品質,すなわち設計の信頼性に大きく影響する.本講義では,実世界に存在する不確かさを数理モデル化し,流体解析および設計に取り入れ,不確かさに対する物理量の挙動を定量的に評価することで,複雑な流体現象の正しい理解および実用に耐えうる工学製品の創出に向けた取り組みを紹介する.
東北大学 流体科学研究所 下山 幸治
12:45~13:45 CAEにもとづく流体関連の最適設計技術に関する企業における取り組み
形状最適化やデータマイニングを利用したIHIにおける最適設計技術に関する取り組みを紹介する.特にタービンフィルム冷却孔の形状最適化の事例をもとに,IHI-TDMと称するIHI統合設計手法の特徴を説明する.また,CAEを利用した最適設計技術に不可欠なCAE自動化技術に関しても言及するとともに,流体分野の最適化に関する最近の研究成果についても紹介する.
(株)IHI 久保 世志
13:55~14:55 ベイズ最適化手法を用いたメッシュモーフィングによる流路の最適化
昨今ニューラルネットワークのハイパーパラメータの最適化に多く利用されているベイズ最適化手法の流路最適化への適用について概説する.具体的には,Pythonを用いた一連のプロセス(メッシュモーフィング,OpenFOAMの自動化,最適化,結果分析)の実行方法について,事例を通じて解説する.
ダイキン工業(株) 片山 達也
15:05~16:05 OpenFOAM による船舶の大規模解析
OpenFOAMソルバーとHPCI(京コンピュータ)を利用した,船舶の流体性能向上のための大規模解析の事例を,企業ユーザにおけるHPCI利用の利点,課題などを交えて紹介する.
川崎重工業(株) 川本 英樹
16:15~17:15 OpenFOAMによるディーゼルエンジン燃焼の数値解析
OpenFOAMを用いてディーゼルエンジンの燃焼を解析した事例を紹介するとともに,燃焼における詳細化学反応を高速かつ安定に計算する手法について解説する.
大阪大学 大学院工学研究科 堀 司
定 員 80名
申込締切 10月23日(火)(締切後でも定員に余裕があれば受け付けますのでお問合せ下さい)
その他
(1)申込受付後,聴講券をお送りしますので参加日(2日間参加の場合は両日)に必ずご持参下さい.
(2)協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱い致します.
(3)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.
※ お申込みの際にご提供いただいた個人情報は,当該行事の運営業務のために利用するほか,当支部が主催する講習会・セミナーのご案内のために利用させていただきます.今後のご案内が不要の場合はお知らせください.
※ 記録用に写真を撮影し,ニュースレターなどに掲載させて頂くことがございます.