第51回バイオサロン
2018年3月29日 - 2018年3月29日 | No.18-56
開催日時 2018年3月29日(木)15:30~17:00(開場15:10)
企 画 バイオエンジニアリング部門
趣 旨
【題目】ヒトの足部形態に内在する二足歩行機能
【講師】荻原 直道(慶應義塾大学 理工学部 機械工学科 教授)
【内容】
常習的直立二足歩行の獲得は、ヒトの最も根源的な生物学的特徴である。しかし、本来不安定な直立二足歩行を獲得することは、生体力学および運動制御の観点からは、非常に困難なことであると考えられる。なぜヒトは、安定かつ効率的な二足歩行を行う能力を進化させることができたのであろうか。
歩行運動は、脚が地面から受ける反力を身体に適切に作用させることによって、身体を転ばないように前に動かす力学現象である。したがって、地面と直接的に接触し、環境との力のやりとりを行う足部筋骨格系の形態は、ヒトの安定かつ効率的な二足歩行の生成に大きく寄与していると予想される。実際に、ヒトの足部形態は他の霊長類のそれと比較すると特殊化しており、そこに内在する機能を明らかにすることが、ヒトの直立二足歩行の進化、力学、制御を考える上で重要な鍵を握ると考えられる。
本講演では、足部形態に内在する二足歩行機能を解明することを目的として、我々のグループで進めている、足部の屍体実験、生体計測、コンピュータシミュレーションについて紹介する。
【司会】工藤奨(九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 教授)
【定員】50名