イブニングセミナー(第212回)続・「日常生活における右と左の秩序」
企 画 技術と社会部門
趣 旨
技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も,社会との深い関わりの中にあることは明らかである.
われわれが新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
講演テーマおよび講師
第183回イブニングセミナー「日常生活における右と左の秩序」の話の続編である.
わたしたちが日常生活で体験する右と左の秩序はどのようなルールにしたがって処理されているか.その所以はどのような考え方にもとづいて決められているのか考察する.また,「エスカレータ事故」や「海上衝突事故」への対応ぶりの追加に加え,「右と左」「東と西」についても新たな話題(ダイアモンド富士,東日本と西日本の民族・習慣,方言の違いなど)を取り上げるということである.
前回は,南半球の日時計を見せられて,頭のネジを逆に巻かれたが,
今回は,どのような話になるか知らされていないので,想像するしかない.
地下の地図で右左を確かめても地上の出口に着くと左右を間違えることがある.人間の基準は右左でも,地球の基準は方位磁石が必要な東西南北なのかと思う.
自然は人間を左右対象に作り,何故か心臓を左側に盲腸を右側に置いた.手は左右対象に出来ているから右利きが強制されたのは社会の制度のためだろう.
右利きの人は長い刀剣を左側に差し,狭い道で互いの刀剣がぶつからないように歩くには左側通行になる.昔から左の方が右よりも上位に置かれるのはそのためだろうか.汽車や自動車が出てくると,歩行者は左側を譲り対面通行の右側通行になる.
右と左,右回りと左回りは見る人の立つ位置,見る方向により逆になる.
また,鏡の中は前後か右左か上下が逆で,鏡の国のアリスは時の流れの方向は変わらなくとも急ぐためにゆっくり歩く.
天空で不動の位置にある北極星に向かっての右左を決めれば,地球の基準の東西南北になり逆転することは無い.北面の武士,指南車,相撲の正面などに名残りがある.
北半球では,台風は左巻きの渦だが,光(文化)は西へ進み,時計の針は右回り(CW)になる.
こんなことを考えていると,電車の上りと下りを間違えて乗りそうである.
講師:長門保明(もと昭和天皇記念館館長,島根県観光「遣島使」)
懇親会
明治大学アカデミーコモン1階の「カフェパンセ」にて,講師を囲んで懇親会を行います.懇親会参加費3,000円,学生1,500円.セミナー終了後に懇親会場にて受け付けます.
次回予定
第213回 2017年12月20日(水)18:00~20:00
テーマ:(仮題)家庭医は特定の疾患だけなく「人間全体」を診る
講師:孫大輔(東京大学大学院医学系研究科 医学教育国際研究センター)