第18回リーダーを目指す技術者倫理セミナー -ものづくりの現場における人材育成の現状と課題:技術伝承・技能伝承-
2017年5月27日 | イノベーションセンター 技術と社会部門特別講演会主催No.17-50
協賛(予定)日本技術士会,可視化情報学会,計測自動制御学会,自動車技術会,精密工学会,ターボ機械協会,日本計算工学会,日本航空宇宙学会,日本塑性加工学会,日本鋳造工学会,日本マリンエンジニアリング学会,日本ロボット学会,溶接学会,化学工学会,日本建築学会,土木学会,電気学会,日本化学会,電子情報通信学会,日本船舶海洋工学会,日本航海学会
今回のテーマおよび論点
「技術伝承・技能伝承」
製造現場における人材育成の課題として、技術伝承・技能伝承の重要性が叫ばれて久しいが、うまく機能しているとはいえない。団塊の世代が60歳、65歳の退職時に「2007年問題」、「2012年問題」といわれてきたが、2017年には、いよいよ製造現場から熟練技術者・技能者がいなくなる。今は、なんとか堪え忍べるかもしれないが、5~10年後を考えると、厳しい未来が待っている。冷静に現実を見つめて、5~10年後の生産体制確立に向けて踏み出すべきではないか。
一つ目の問題は、熟練技術者・技能者の“退職”である。50歳代以上の者は、設備の新設、増設に携わり、トラブルを経験し、解決することにより、技術力を身に付けてきた。20歳代の人たちは、子供の頃から「危ないこと」をしないで育ち、企業においても、自動化された設備を運転し、トラブルを経験する機会が少ない。シミュレーション等の進展はあるが、座学では限界がある。バブル崩壊後、失われた20年に雇用者数が減り、30~40歳代の技術者が少なく、当初の設計に関与した熟練技術者・技能者が退職する2017年に向けて、設計の基本思想、運転条件の設定根拠がうまく伝承されていない。定常運転時はよいが、非常時には対応できないおそれがある。
二つ目は、“設備”の変化である。 設備の新・増設が減少し、着実に老朽化が進む。
三つ目は、一人一人の“管理範囲”の拡大である。一人当たりの生産量は嘗ての3~5倍になり、一人一人の作業負荷、特に、管理職は書類作成や会議他部門との調整に追われ、業務量がオーバーフローしている。
このような時代において、
・技術および技能の伝承はどのようにすればよいか。
・団塊の世代が現役を退いたのちの10年後のため、どのような対策があるか。
を皆さんで考えてみたい。
<討論課題>
参加者の経験、知識に基づいた討論課題を考えており、グループ課題については配付資料に記載する。
セミナーでは,次の手順により議論を進める.
1.事前に配付された資料による自主学習
2.グループ意見交換において,自分の意見を明らかにする.
3.全体討論において自分の立場を明確にして議論する.
事前に配付する資料を読んで頂いて,参加されることを前提とする.
プログラム
10.00~10.10/セミナーの趣旨説明,本日の進め方
横浜国立大学 大学院工学研究院 教授(主査)高田 一
10.10~11.30/技術伝承・技能伝承について問題点の概要
東京工業大学 イノベーションマネジメント研究科 特任教授 中村昌允
11.30~11.50/討議の趣旨,討議の進め方
オカダ・アソシエイション 技術士 岡田惠夫
11.50~14.00/グループワーク
技術および技能の伝承はどのようにすればよいか。
団塊の世代が現役を退いたのちの10年後のため、どのような対策があるか。
14.00~17.00/技術者倫理に関する全体討論
明治大学 理工学部 准教授 村田良美
KoPEL 技術士 小西義昭
講師全員
司会 高田 一
定 員 30名,申込み先着順により定員になり次第締め切ります.