第49回バイオサロン
2017年3月30日 | バイオエンジニアリング部門特別講演会主催No.17-37
開催日時 2017年3月30日(木)15:30~17:00
企画 バイオエンジニアリング部門
【題目】
アクティブに駆動する生体模倣型ゲルアクチュエータの創製
【講師】前田真吾(芝浦工業大学 工学部 機械機能工学科 准教授)
【内容】
高分子ゲルは高分子鎖が化学的・物理的に架橋され網目構造を有し,水やアルコールなどの溶媒を含んだソフトマテリアルである.近年,特に刺激応答性ゲルが盛んに研究されている.刺激応答性ゲルは温度,電場,光,濃度などの物理化学的な変化によってその体積を変化することが知られており,極めてエントロピーの効果が大きいマテリアルである.我々は,このような外部刺激に応答するゲルではなく,自発的に駆動する自律的な機能を持ったゲルやアクチュエータに関する研究を行ってきた.ゲルの自律駆動現象は生体模倣材料の観点だけでなく,物理化学的な観点からも非常に興味深い.我々は化学振動反応と高分子ゲルが結合した系について研究を行ってきた.化学振動反応として知られているBelousov-Zhabotinsky (BZ)反応を高分子ゲル内部で誘起することで,ゲルが周期的に膨潤・収縮振動する(BZゲル).我々は化学反応のみで駆動可能なBZゲルの基礎研究を行ってきた.本稿では, BZゲルのマテリアル設計,ケミカルアクチュエータやケミカルロボットへの展開など一連の進化について紹介する.
【司会】
九州大学 大学院工学研究院 機械工学部門 工藤奨
【定員】 40名