特別講演会「鉄道用車体の軽量・高剛性化技術」
【開催日】
2011年12月26日(月)13:00~14:30
【題目】
鉄道用車体の軽量・高剛性化技術
【講師】
公益財団法人 鉄道総合技術研究所 材料技術研究部
森 久史
【概要】
鉄道は自動車及び航空機と比較して、二酸化炭素の排出量の少なく、省エネルギーの輸送機関であると考えられる。鉄道における今後の、さらなる二酸化炭素排出量の低減や省エネルギー化を目指す上で、鉄道車体のさらなる軽量化が技術課題の一つになると考えられる。鉄道用車体の製造は、素材開発、加工技術、接合技術等の総合的な技術の集約から成り立っており、基本的に求められる特性は重量、強度、剛性である。車体の軽量化を考える上で最も着眼しやすいのは、鉄製車体からアルミニウム車体及び高張力鋼車体から薄肉ステンレス鋼車両への変遷にみられるように、比重の小さい軽量材料の適用や使用部材の薄肉化が挙げられる。軽量材料の適用や部材肉厚減は最も効率の良い軽量化の方法であると考えられるが、部材肉厚の薄肉化では強度低下、軽量材料の適用では剛性低下が問題となる。したがって、鉄道車体の軽量化を考えるには、材料と構造とを十分に理解しながら重量・強度・剛性のバランスを取りつつ検討することが必要となる。
本講演では、まず車両設計に必要となる強度及び剛性について説明する。その後に、軽量化の変遷が著しい新幹線車体に限定して取り組まれてきた軽量・高剛性化技術について簡単に紹介する。
【定 員】
100名