イブニングセミナー(第144回) 放射性物質モニタリングからみた福島原発事故 ―東京の大気環境を中心に―
【開催日】
2011年11月30日(水)18.00~20.00
【テーマおよび講師】
放射能(放射線を出す能力)は距離の2乗に比例して弱くなることから、放射性物質がある原子炉を中心にして同心円を書いて基準とされたが、大気に放出された軽くて小さな放射性物質は、風に乗って同心円を簡単に乗り越えて流れて行った。
そして、流れ着いた先で、新しい小さな同心円を作って、ガイガーカウンターにその小さな存在を知らせた。
何処へ行くかは風次第だが、風は気紛れではないので、予想が出来るし、大気環境モニタリングで確認できる。
雨が降って青空になれば、大気中の埃に紛れていた小さな放射性物質は、地上に降り立ち、自然の川や海に流れ込み、そこに棲む海洋生物により濃縮される。
また、自然のない大都会では、完備された下水道を通って処理場のフィルターで濃縮され、人が近寄れないくらい大きな存在になる。
しかし、原子炉に屋根がつかない限り、風がなくならない限り、環境に拡散したものが回収されない限り、終わりにはならない。
それまでは、大気環境モニタリング装置が受ける放射線被爆量を正確に測り、数字で今と今後の危険と安全がどの程度かを、国民に知らせ続ける地味な仕事が続く。
この天の気象予報と、地のモニタリングについて、専門の人に語っていただく。
伊瀬 洋昭((地独)東京都立産業技術研究センターフェロー)
<懇親会> 御茶ノ水駅前(会場未定)にて、講師を囲んで懇親会を行います。会費 3 000円程度
【次回予定】
2011年12月21日(水)18.00~20.00
後藤政志 元格納容器設計技師(原発事故が避けられない理由)