ステップアップ・セミナー2011 ヒット商品を生んだ技術と製品戦略
【協賛】
日本ガスタービン学会,可視化情報学会,計測自動制御学会関西支部,精密工学会関西支部,システム制御情報学会,日本金属学会関西支部,日本計算工学会,日本材料学会関西支部,日本流体力学会,日本塑性加工学会関西支部,日本マリンエンジニアリング学会,化学工学会関西支部,日本化学会,日本伝熱学会,日本航空宇宙学会関西支部,溶接学会関西支部,日本船舶海洋工学会関西支部,日本冷凍空調学会,日本燃焼学会,日本鉄鋼協会関西支部,自動車技術会関西支部,ターボ機械協会,日本バーナ研究会,滋賀経済産業協会,京都工業会,奈良工業会,兵庫工業会,大阪科学技術センター,日本技術士会近畿支部
【日時】
2011年11月14日(月) 9:10~17:00
【趣旨】
米国の金融不安に端を発する世界同時経済危機からの脱却に向かう世界市場において,その需要構造や勢力図は大きく塗り替わりつつあります.今後は新興国が牽引車となって世界経済は回復し,再び成長軌道に乗るものと見込まれますが,新たなグローバル競争の中で日本の存在感は低下しているとの危機感が募っています.
しかし,わが国が得意とするものづくりの現場では,厳しい日本の消費者に鍛えられた高い品質と技術力を武器に,他の追随を許さない優れた製品が次々と生み出されています.今回の東日本大震災で日本の安全神話が崩壊したと言われていますが,高いシェアを誇る製品の供給が停止することで,世界の産業に与える日本の影響力を改めて示したとも言えます.
めまぐるしく変る世界情勢の中にあって厳しい日本の現状ではありますが,今後の日本経済の回復・発展には,グローバル競争に勝ち抜くための経営戦略を磨くと共に,やはりわが国の強みであるものづくりを生かした商品戦略が重要であると言えます.
そこで本セミナーでは,我々が進むべき道を学ぶことを目的として,高い技術を元に生まれたヒット商品や高シェアを誇る競争力の強い商品を取り上げ,その商品に用いられた技術と製品戦略の成功事例を紹介します.技術マネージャー,中堅・若手技術者などの方々に有益な内容となっていますので,多数のご参加を期待します.
【キーワード】
ヒット商品,製品戦略,ものづくり,グローバル競争,イノベーション,経営戦略
【題目・内容・講師】
09:10-09:15 開会挨拶
日本機械学会関西支部企画幹事 神谷一彰
09:15-10:35 【基調講演】経済の高度情報化・サービス化時代における製造業の価値共創戦略
京都大学 経営管理大学院 教授 経営研究センター長 原 良憲 氏
経済の高度情報化・サービス化の進展に伴い,価値創出・展開の仕組みが,大きく転換する時代になっている.本講演では,コモディティ化の波に晒されない製造業の価値創出方法について,オープン・イノベーション,サービス・イノベーションなど,多面的な角度から検討を加え,説明を行う.また,日本の製造業・サービス業の良さとは何かを追求し,グローバル市場において競争優位な製品提供のありかたについて言及する.
10:50-11:35 GPS津波・波浪計の開発
日立造船株式会社 事業・製品開発本部 技術研究所 精密機械グループ
主任研究員 三宅寿英 氏
GPS津波・波浪計は,高精度な衛星測位技術と海洋ブイを組み合わせて,波浪,潮位および津波を計測するシステムである.GPS波浪計は,国土交通省港湾局が全国配備を進めており,2011年3月時点で三陸沖にも7基のGPS波浪計が設置されていた.これらのGPS波浪計では,3月11日の東北地方太平洋沖地震に伴う海面変動を,沖合約20km地点においてリアルタイムで計測し,そのデータは気象庁の津波警報にも利用された.本講演では,前記の計測データを紹介すると共に,GPS津波・波浪計の事業化経緯および今後の展開について述べる.
11:35-12:20 新製鉄法ITmk3の開発
株式会社神戸製鋼所 新鉄源本部 技師長 津下 修 氏
新興国の台頭による旺盛な鉄鋼需要の中,従来の高炉製鉄法で使用されていた良質な鉄鉱石およびコークス炭が枯渇してきている.また,先進国においては,産業の発展に伴い膨大な量の鉄くずが溜まり,高炉転炉製鋼法に代わり,鉄くずを原料とした電気炉製鋼法が主流となりつつある.しかしながら,鉄くずには様々な異物が混入し,良質な鋼を作ることを難しくしている.これらの問題を解決しようとしているのが,神戸製鋼が近年開発してきた新製鉄法ITmk3である.
13:20-14:05 形状創成設計による射出成形機の周辺機器(取出ロボット)の開発事例の紹介
株式会社ユーシン精機 常務取締役 開発本部 大立泰治 氏
従来の経験と勘に基づく機械機構の設計では,初期形状に近く所謂無難な形状で,大幅な特性改善はなかなか難しい状況である.今回トポロジー最適手法を用いた最適設計(航空機や自動車で行われている最先端の“形状創成設計”)を,射出成形機の周辺機器である“プラスチック成形品取出ロボット”に適応し,世界最速のスピードを達成し,成形品生産現場での生産性に大きく貢献した”新型(HSAシリーズ)“の開発事例を紹介する.
14:05-14:50 2代目FIT開発にあたり
株式会社本田技術研究所 四輪R&Dセンター LPL室 主任研究員 人見康平 氏
初代FITは,スモールカー市場において,燃費,スタイリング,広さ,使い勝手の良さから,多くのお客様に支持され,No,1商品に育てていただいた.しかし,2代目の開発に当たっては,その方向性,考え方を「0」からスタートさせ,幅広いお客様に長く愛されるように理想のスモールカーを目指した.本講演では,その2代目FITの開発の想いを新たに投入したハイブリッド技術も含め,紹介する.
15:10-15:55 最適運転効率機能付小型貫流ボイラ多缶システム
三浦工業株式会社 ボイラ技術部 部長 三浦正敏 氏
蒸気システムの平均負荷は20~50%程度であり,小型貫流ボイラSQ-AS型は,この領域のシステム効率を飛躍的に向上させていると共に,給水温度15℃の運転条件で,排ガス中の潜熱まで回収を行う為,システム効率100%を達成している.又,ボイラシステムとして,運転条件に応じて最も効率の高くなる燃焼ポイント(エコ運転ポイント)での燃焼を優先的に行う事で,効率を向上させている.このボイラ及びシステムについて説明を行う.
15:55-16:40 蒸気レスIHジャー炊飯器
三菱電機ホーム機器株式会社 家電製品技術部 部長 長田正史 氏
沸騰を継続しながら本体から蒸気を出さない炊飯器を作りたい!は炊飯器の技術屋だったら一度はトライしたことがある筈.製品化は無理と言われていた「蒸気レス」が何故出来たのか.また「尖がった商品」で有りながら,本質的な機能に徹底的にこだわることに拠って,更に「おいしさ」を向上させた仕組み.モノが充足している現代のヒット商品とは・・・の方向性も交えて開発事例を紹介する.
16:40-16:55 全体質疑応答
【司会】日本機械学会関西支部第5専門部会部会長 久角喜徳
16:55-17:00 閉会挨拶
日本機械学会関西支部企画幹事 安田俊彦
【定員】
100名
【申込締切】
2011年11月7日(月)(定員に余裕があれば,2日前まで申込みを受け付けます.)
【申込方法】
郵送,FAXまたはE-mailの場合は「関西支部ステップアップ・セミナー申込み」と題記し,(1)氏名・会員資格,(2)所属:勤務先・部課名,(3)通信先:住所・電話,(4)所属学協会名,(5)送金方法・送金額(内訳)・送金予定日および請求書の要・不要を明記の上,関西支部宛お申込みください.聴講料は後日送付する請求書に記載の銀行口座または郵便振替口座宛ご送金ください.現金書留または当日支払いも受け付けます.
【その他】
(1)申込み受付後,聴講券をお送りしますので必ずご持参ください.
(2)協賛学協会員の方も本会会員と同様にお取り扱いいたします.
(3)受講をキャンセルされる場合は2日前までにご連絡願います.2日前までにご連絡のない場合は聴講料をお支払いいただきます.
(4)CPDポイント登録致しますので機械学会会員(個人)の方は必ず会員証カードをご持参下さい
※本行事の申し込みに際しお届けいただいた個人情報は,聴講券の送付,当支部からの連絡にのみ使用させていただきます.