第83期環境工学部門長

伊藤 定祐(神奈川工科大学)

 便利で豊かな生活を求めて、人類は科学技術を発展させてきましたが、その結果として、いまや、地球温暖化や大気・水の汚染等の地球規模的な環境破壊が起こっており、人類の存続を危惧するまでになってきています。この2月には京都議定書が発効し、産業界も本格的に地球温暖化防止政策に対応していかなければならない状況になってまいりました。わが国は、敗戦後、科学技術の発展に力を入れ、多くの優れた製品を造って、世界の人の生活レベル向上に貢献してきましたが、これからは環境保全の面においても世界をリードできるようになりたいものであります。

 このような状況の中で、環境工学部門は、伝統ある日本機械学会を母体として、環境保全の発展に一層重要な役割を担うことが期待されております。本部門では、振動・騒音制御、廃棄物処理、大気・水保全、及び環境保全型エネルギーの4技術分野で活動を行っております。それぞれは特化された分野でありますが、「環境保全に寄与できる技術」を共通のテーマとして4技術分野間の統合が図られております。

 環境保全に対応する技術開発においては、各分野における要素技術の開発はもちろん大切でありますが、環境問題が、安全性、感性、生命等に深く関係することから、それらを全体的に考慮したシステムの開発が重要であります。

 そこで、本部門の活動においては、環境問題に関連する幅広い情報の収集と意見交換ができる機会を多く持つことが大切であると考えます。今期のシンポジウムは、従来の開催地であった川崎・東京都心を離れて、環境都市宣言をしている北海道室蘭市に参加者一同が集い、各技術分野間のより一層の連係と、会員同士の交流を深めました。室蘭市、室蘭工業大学、地元企業等からのご支援のもと、お蔭様でシンポジウムを成功裏に終えることができました。

 今期の部門の活動としましては、特に、部門英文ジャーナルの発行の準備、部門運営にかかわる組織の見直し、およびホームページの改善に力を注いでおります。会員や一般の人と部門との接点になる部門ホームページは、今後益々重要な情報伝達の手段となるものと考え、より多くの有用な情報を、より迅速に提供することが可能となるようにホームページの運用方法を検討いたしております。皆様方の一層のご支援をお願い申し上げます。

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