お知らせ

実行委員長挨拶

「持続科学としての次世代設計工学を考える」
実行委員長:山崎 美稀 (株式会社 日立製作所)

このたび、第31回設計工学・システム部門講演会を2021年9月15日(水)から9月17日(金)の3日間にわたり、バーチャル講演会 (バーチャル会場イメージ:日立の「協創の森」)の開催とさせていただくことになり大変光栄に存じます。昨年の第30回設計工学・システム部門講演会では,新型コロナ感染の影響を踏まえて初のオンライン形式で開催いたしました。オンライン講演会の開催により,場所および時間の制約が低減できるメリットやマルティメディア活用が容易であるメリットなどが確認できました。一方で,本来の講演会に期待する知識取得以外の交流の場である役割が十分に果たせないデメリットも確認できました。今年の講演会では,このようなオンラインのメリットを活かし,デメリットは改善するというバーチャル講演会の開催といたします。現地参加型講演会と同様に、特別講演、ワークショップ、セミナー、ネットワークひろば、設計コンテスト、懇談会などのイベントをバーチャル会場で体験できる工夫で講演会を開催いたします。

近年の急速なコンピュータとインターネットの普及により,ものづくり産業は大きく変化しています。特にデジタル化の技術は,設計から製造までのプロセスに大きなイノベーションをもたらしました。その一方では,セキュリティの確保,プライバシー保護,AI 活用の倫理など,デジタル化の光の反対側にある影の部分も見え始めています。次の時代ではどのように影の部分をなくし,全体的な最適化を行うかを考える時期に来ていると考えます。本部門ではデジタル化技術による設計力強化や,デジタル化に適応した人材育成など,ものづくりの現場が直面している設計やシステム技術の課題に着目するとともに,デジタル化時代に私たちがどのように持続可能な社会の発展に貢献できるかについて,産学官で活発な議論を重ねていければと考えております。

第31回目の講演会では、「持続科学としての次世代設計工学を考える」をテーマとして,価値ベース設計の協創,デジタル技術の協創,マルチステークホルダーの協創,将来展望課題定義の協創,社会イノベーションアイディア創出の協創,設計工学教育の協創の6つの協創コンセプトに基づいて,従来のセッションのバージョンアップと新たなセッションを設定いたしました。また、バーチャル会場イメージの日立の「協創の森」は、SDGs、Society 5.0の実現に向けて、オープンな交流や協創アプローチを用いて、英知と技術の融合によるイノベーションを発信基地として,2019年4月に東京都国分寺に建設されました。「日立の「協創の森」」コンセプトと本部門とのコラボレーションにより、社会課題解決に向けた次世代設計工学のビジョン創出と産学官連携を盛り上げていきたいと考えておりますので、多くのみなさまのご講演およびご参加をお待ちしております。