発行:2019/5/25

このページでは,設計工学・システム部門 Newsletter No.51の内容をお届けします (2019年5月発行) .

ページ製作・編集 D&S広報委員会

1. 第97期部門長挨拶
  • 第97期部門長  山崎 美稀(日立製作所)

  • この度、第97期部門長の大役を仰せつかりました。小木哲朗副部門長、大竹豊幹事をはじめ、運営委員会委員、アドバイザリーボード、部門を支えて頂いている皆様、事務局の皆様とともに、部門ならびに学会のさらなる発展に尽力して参りますので、何卒よろしくお願いいたします。
    本部門は今年で創立28年となります。28年前、当時の創設背景には、設計対象の「質」の確保の課題、設計を行なうための「効率化」の課題がありました。これらは設計への要求が多様かつきびしくなっていることが起因していたからだと考えます。その他にも製品の責任問題などの信頼性確保の課題、先端技術の製品への取り込みや、感性など製品に対する人間的視点の重視、さらに地球環境への対応や省エネなどがあり、これらの内容はすべてが設計の方で対応すべき課題であります。これらの課題は28年経った今でも日本のものづくりを取り巻く重要な課題として顕著に表れています。特に近年は、急速なコンピュータとインターネットの普及により、ものづくり産業は急速に変化しています。特にデジタル化の技術は、プロセスに大きなイノベーションをもたらしたと言えます。その一方では、デジタル化の影の部分も見え始め、次の時代ではどのように影の部分をなくし、全体的な最適化を行うかを考える時期に来ています。このような状況に対処するために,新たなデジタル技術の適用とそれによる課題を解決することにより,設計から製造までのバリューチェーン全体を考慮した設計工学を考え、設計者を支援する方法を考える部門をめざして行きたいと思います。
    具体的に、次の2つの施策を展開して行きます。まず、本部門が対象とする分野及び領域は、設計理論・設計方法論・設計学、設計知識、製品開発・情報管理、設計組織、システム工学、ライフサイクルエンジニアリング、デジタルエンジニアリング、ヒューマンインタフェース、感性工学、人工物工学の展開、新しい人工物など、極めて広範囲にわたっておりますが、これらの対象とする「@設計分野を融合することによりバリューチェーン全体を考慮できる設計工学を考えて行きます。」また、本部門は広範囲な分野活動のために8つの研究会が設置されて自律的に活発に進められています。8つの研究会の連携と総括をするために「A次世代の設計工学を創造する研究会を設立させ、次世代の設計に対応できる設計者の支援策を考えて行きます。」次世代の設計工学ではユーザ要求と現場課題のデータ分析により、可視化される本質を用いて,革新的なアイディアの発想とAIやIoTなどのデジタル技術をフル活用できる工学を目指していきます。
    部門活動においては、総務委員会と拡大運営委員会では活動の環境を整え、さらなる活性化を進められるような舵取りに注力してまいります。また、WEB会議の導入により効率化を図り、より多くの会員にご参加いただき、SNSを通して会員相互の交流や会員から部門への要望を反映して行き、さらなる部門活性化につながるように舵取りしてまいります。
    また、部門行事として,年次大会と部門講演会は毎年多くの方の参加によって行われる会員相互の交流の機会をより一層盛り上げてまいります。今年度の年次大会は9月に秋田大学で、また部門講演会は9月に東北大学で開催いたします。さらに、日中韓の学術交流を中心とした国際会議ACDDE2019(7月にマレーシアで開催)、そして日馬の学術交流を中心とした iDECON2019(9月に東北大学で開催)も部門の国際交流活動の活性化を図る活動として定着を目指していきます。加えて、産学からの多くの参加者を集め、 最新の技術動向を反映した実用例を通した理解と普及に寄与する講習会も今年度は6件が予定されています。多くの会員の皆様にとって活発な交流活動となるような盛りだくさんの企画となっておりますので、学術交流の場を広げる機会として、できるだけ多くの会員の参加をお願いします。
    論文誌としては、日本機械学会論文集・Mechanical Engineering Journal, Mechanical Engineering Reviews, Mechanical Engineering Lettersの新学術4誌と、 本部門を含めた5部門合同で発行する英文ジャーナル誌JAMDSM(Journal of Advanced Mechanical Design, Systems, and Manufacturing)を発行しています。特集号の企画などもありますので、積極的な投稿をお願いいたします。
    こうした従来からの活動に加えて、今年度はさらに新たな活動のきっかけを作りたいと考えております。前部門長の伊藤先生の後を引き継ぎ、本部門がさらに魅力ある交流の場となるように尽力して参りますので、部門活動への皆様の積極的なご支援・ご協力を賜りますよう何卒よろしくお願いいたします。
2. 第29 回 設計工学・システム部門講演会(D&S2019) 開催案内
  • D&S2019実行委員長   大山 聖(宇宙航空研究開発機構宇宙科学研究所)


  • 日本機械学会 設計工学・システム部門は、第29回設計工学・システム部門講演会を、2019年9月25日(水)〜27日(金)に東北大学片平キャンパス(宮城県仙台市青葉区片平2丁目1?1)にて開催いたします。 東北地方での開催は2011年の山形以来8年ぶりになります。
    2011年は東日本大震災が発生した年になります。あれから8年がたちましたが、2018年11月現在でも5万人を超える方が避難所生活をされており、復興に向けた道のりはまだ道半ばと言わざるをえません。今回の講演会では、講演会前日の9月24日(火)の午後に被災地をめぐる閖上復興支援ツアー(事前申し込み、定員60名(先着順))を企画しております。大規模自然災害に対する防災や災害後の復興に関して、設計工学・システム部門はなにができるのかと言う点に思いをはせることのできる講演会にしたいと考えています。
    復興の現状と課題については、復興庁の資料をごらんください。
    本講演会のもう1つのキーワードとしては、「インタラクション」をあげたいと思います。今年度は、産業界の研究者の皆様が参加しやすくなるよう平日開催といたしました。また、設計工学・システム技術の実利用に関する講演を積極的に募集したいと考えていますので、学術界の研究者はもちろんのこと、産業界の研究者の皆様も積極的にご参加いただけたらと思います。
    本講演会は9月25日(水)朝から27日(金)のお昼まで開催いたしますが、9月23日(月)〜24日(火)には同じ会場でiDECON/MS2019が開催されます。また、9月24日(火)午後は閖上復興支援ツアーが企画されています。 さらに、27日(金)の午後から28日(土)には同じ会場で進化計算学会主催の第16回進化計算研究会(参加費無料、日本機械学会に後援を依頼中)が開催されます。 進化計算研究会では、JAXA小川博之氏による「水星探査機みおの設計(仮題)」の招待講演が企画されています。この週は9月23日(月)から9月28日(土)まで日程を確保いただき、異なる研究分野間のインタラクションもご堪能いただけたらと思います。
    JSME iDECON/MS 2019のウェブサイトはこちらです
    第16回進化計算研究会のウェブサイトはこちらです。
    それでは杜の都・仙台で皆様にお会いできることを楽しみにしています。
3. JSME International Conference on Design and Concurrent Engineering 2019 & Manufacturing Systems Conference 2019 (JSME iDECON/MS2019) 開催案内
4. 研究会 活動報告
5. 講習会 開催報告
6. 部門関連イベント 開催案内