「広報・情報部会」発足と活動開始に当たって
第78期広報理事 城戸裕之・西尾茂文
本会では、『第二世紀将来構想実施計画委員会答申』にしたがい、2000年4月より新組織(本ホームページ「学会組織」の「組織図」参照)による運営を始めた。
同答申では、基本方針として、「来世紀は、人類が様々な困難な問題を抱える一方で、ボーダーレス化した国際社会で価値観も多様化が進む中、科学技術がその影響力を一層強めると共に、社会に対する貢献と責任とが問われることになる。このような変化が急速に進む中で、本学会は、機械工学・技術の中核を担う専門家集団として、会員中心の活動にとどまらず、社会の公器としての立場から、社会の進歩発展、福祉と安全の向上などに幅広い貢献が求められる。本学会の百年の歴史を振り返り、第二世紀の発展を可能とするには、新たな横断的総合技術としての機械工学像とその理念の提示をする」必要があると述べている。
こうした基本方針に沿い、広報理事および広報・情報部会が新設された。同答申では、本部会を以下のように捉えている。即ち、「支部、部門、すべての部会・センター、事務局と連携しつつ、学会活動の広報、社会に対する情報発信、啓蒙活動、ネットワークの積極的な利用展開、事務の情報化など、今後極めて重要なミッションを有する。具体的な所管事項は、例えば以下のようである。
- 活動の情報化推進による学会のアカウンタビリティの強化
- 技術動向調査(部門への研究依頼)、メディア調査研究、社会へのステートメント発信
- ネットワーク利用(新しい会員サービス、広報、販売、出版他)
- メディアとの連携(新聞、TV、科学技術雑誌など)」
本部会では、そのミッションの重要性を認識し、部会所管事項の再検討から活動を開始し、現時点ではこれを下図のような観点から整理・検討している。即ち、
- 社会情報の受信・調査・集約基地: 政策・財務部会等と連携を取りつつ、機械工学・技術等に係わる社会動向や行政機関政策動向等の「社会情報の受信・調査・集約基地」としての役割を果たす。
- 本会内部情報・資料等の集約基地: 支部・部門・部会・センター・事務局等(以下、内部関連組織と呼ぶ)へ、上記の受信・調査情報の発信およびそれに関する調査・研究・資料作成の依頼、若年層への機械工学・技術の啓蒙・アピールなどの企画の立案・実行の依頼、出版物の知的資源化など情報資源構築の依頼などを、政策・財務部会等と連携を取りつつ行なうとともに、これらに対して用意された「内部情報・資料の集約基地」としての役割を果たす。また、内部関連組織の活動・成果等のうち、本会として情報発信することが適切と思われる「内部情報・資料の集約基地」としての役割を果たす。
- 2)で集約された内部情報を、社会、情報メディア、会員等に発信する「情報発信基地」としての役割を果たす。
- 本会内部における、あるいは本会と外部との情報交換・情報処理に資する情報ネットワークの整備・充実を行うとともに、情報ネットワークを利用した企画の立案・実行を内部関連組織に依頼する。併せて、情報メディアにおける情報受発信ルートの構築を図る。
- なお、情報発信方法としては、当面は、学会誌、インターネット、新聞・TV・雑誌等、講演会等、および公式文書等とする。
上記のいずれについても、具体的にどのような情報を、どのような方法で受発信および集約するかなど、検討すべき課題が山積している。本部会の活動は、会員諸氏ならびに内部関連組織の協力を仰がなければ成立しないものである。広報理事として、ご協力をお願い申し上げる次第である。