一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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創立120周年

創立120周年記念事業のまとめ

 

創立120周年記念事業委員会 委員長 有信 睦弘

 

日本機械学会創立120周年記念事業委員会を代表し、会員の皆様に御礼を申し上げますとともに、本記念事業の経緯を報告申し上げます。

本事業委員会は、2014年度理事会の決定に基づいて設置され、グローバル化、学会・機械工学のあり方検討、新しい未来マップ作成、10年のあゆみ編纂、機械遺産の纏め、シンボルマークの制定や記念式典・表彰、について6つの小委員会を中心に、記念事業の準備を進めました。

創立120周年事業の特色は、過去10年間を振り返るとともに、未来に向けた取り組みを進めた点にあります。「夢を形へ紡ぐ」というメッセージには過去の営為とともに未来への取り組みが内包されています。

過去10年を振り返るものとしては、今日の機械産業・機械工学の発展に寄与された方々や本会の活動を支えられた方々に対する感謝と表彰を行いました。併せて10年間の足跡を記録する10年のあゆみを編纂し、CDに収めるとともに、本会ホームページに登載しました。受彰者の方々には改めて感謝とともに、心からお祝い申し上げます。

また、2007年の110周年記念事業として開始した機械遺産について、2017年に認定された機械遺産までを含めた90件を和英併記で1冊の記念誌にまとめ、本会ホームページにも同内容を登載しました。

未来へ向けた取り組みの第一は本会のグローバル化の一層の推進です。東南アジア諸国からの代表者を招いたシンポジウムと、国内在住の留学生と国内企業とのランチを摂りながらの交流会によって、アジア諸国との交流拡大への本会の姿勢を示しました。第二は機械技術者のソサイエティとしての学会のあり方と学問としての機械工学のあり方の検討です。真摯な議論を重ね、その結果を本会会誌及びホームページに掲載しました。第三は将来の社会を担う子供たちの夢を形にすることです。彼ら彼女らが描く夢の機械の実現に向けて未来マップを作成するプロジェクトを進めました。これらの取り組みによって、本会や機械工学の未来を生き生きとした魅力的なものと印象付けることができたのではないかと自負しています。

この10年、ITに代表されるように科学技術の進歩は益々速度を増し国内外の情勢も激変しています。大きな経済危機や大災害も経験しました。これからの科学技術の進歩や社会の変化を将来の人々にとって好ましいものにするために、技術者の役割が益々重要になっています。本周年事業が未来のあり得べき人と社会の実現に向けた本会の役割を考えるきっかけになれば、誠に幸いと存じます。

最後に、記念事業委員会の委員一同を代表して、本周年事業の遂行に熱心なご協力をいただきました教育界、産業界、官界、および本会支部、部門等の関係者の皆様に心から感謝を申し上げます。


「式典と表彰」小委員会

1.記念式典・祝賀会

記念式典・祝賀会は日程を決定するに際し、年次大会や機械の日など他の行事と重ならず、また会員が参加しやすい時期などを考慮し2017年11月17日(金)とした。また、会場はその規模などから明治記念館にて行うこととした。

当日は記念式典に多くの会員が参加いただけるよう「新しい未来マップ(ロードマップ)作成」小委員会、「機械遺産」小委員会による、120周年記念事業活動報告を行った。

なお、当式典・祝賀会は多くの人が参加できるように開催次第を会誌2017年9月、10月号、ホームページ、電子メールでご案内し、記念式典、祝賀会にはそれぞれ約250名、200名の会員ならびに関係者の出席を賜った。

2.功労者表彰

(1)経過報告

創立110周年記念事業表彰以降この10年間に、日本機械学会の活動を通じて、本会の発展に寄与もしくは名誉を高めることに貢献、功労のあった会員、関係者を表彰するとの趣旨で、選考方針を定め、関係各位のご協力を得て、慎重なる審議により表彰対象者を決定した。

(2)会員功労者、会務協力者、職員表彰

今回の会員功労者、会務協力者、職員の表彰については、本会の表彰理念の継続性を考慮した上で、従来の10年に一度の選考方法で表彰対象者を選出した。即ち、会員功労者の選考は、この10年間の学会内組織において、部会・支部・部門や本会役員(理事・監事・代表会員)など、多くの活動を通して学会に対する功労を評価したものであり、そのために創立110周年以前に既に表彰された会員、名誉員へなられた方は今回の表彰は差し控えさせていただいた。

(3)事業功労者表彰

事業功労表彰の対象として、本会の理事、部会、委員会、センター、創立120周年記念事業委員会から「周年記念事業 表彰要綱」に従い推薦をいただき、「式典と表彰」小委員会にて厳正な審査を行った。

選考に当たっては、推薦書による書面審査を原則とした。従って学問的、技術的内容の専門性については、推薦母体の専門性に基づく推薦を尊重することとした。

なお、過去の経緯より、事業功労者として選出された方が会員功労者と重複表彰も可とした。

選考の結果、今回、推薦を受け表彰対象となった業績は以下の四つである。

①会員増強・維持、②出版物、③新企画・新事業、④その他事業への貢献

また、創立100周年以降、支部、部門においては支部賞、部門賞によって功労者への表彰の充実がはかられたため、全体的な視点から表彰対象を選考させていただいた。受賞者は下記の通り。

日本機械学会創立120周年記念功労表彰者(敬称略・五十音順)

①会員功労者114名(創立110周年以前の既受賞者は除く)

青山 英樹  淺間 一  飯田 明由  池川 正人  池田 隆  池田 英人  伊藤 宏幸  井上 裕嗣  井原 郁夫  植田 利久  梅原 徳次  大岡 昌博  大竹 尚登  大橋 鉄也  大林 茂  岡 宏一  岡部 友三朗  小木 哲朗  小原 拓  風尾 幸彦  梶島 岳夫  梶原 逸朗  鎌田 実  河野 治  木口 量夫  雉本 信哉  北 栄輔  京極 秀樹  黒坂 俊雄  桑野 博喜  後藤 彰  小林 正生  近藤 良之  齊藤 俊  坂 真澄  酒井 信介  坂本 二郎  佐々木 直哉  佐藤 太一  佐藤 春樹  澤江 義則  渋谷 陽二  周 立波  白石 俊彦  白國 紀行  白瀬 敬一  新野 秀憲  須賀 一彦  菅田 淳  鈴木 真二  高久田 和夫  高田 保之  高比良 裕之  高松 洋  田川 泰敬  武田 行生  但野 茂  舘野 寿丈  田中 正夫  田中 守  近久 武美  土屋 総二郎  坪倉 誠  冨田 栄二  中曽根 祐司  中西 義孝  中橋 和博  中部 主敬  中村 春夫  南後 淳  能見 基彦  野村 由司彦  萩原 世也  服部 敏雄  花村 克悟  姫野 龍太郎  福井 茂寿  福西 祐  福本 英士  福山 満由美  藤井 正浩  藤田 修  藤田 聡  古川 雅人  古谷 寛  辺見 信彦  前川 卓  松尾 亜紀子  松岡 茂樹  松永 三郎  松日楽 信人  松村 隆  松本 健郎  三浦 憲二郎  宮木 正彦  宮崎 康行  森 治嗣  森村 勉  森脇 一郎  諸貫 信行  矢野 智昭  山根 隆志  横山 誠  横山 良平  吉川 暢宏  吉田 秀久  吉村 卓也  吉本 成香  和田 成生  渡辺 聡  渡辺 鉄也  渡辺 亨  渡邉 政嘉  綿貫 啓一

②事業功労者(会員増強企業) 7件

新日鐵住金株式会社  ダイキン工業株式会社  公益財団法人 鉄道総合技術研究所  東海旅客鉄道株式会社  富士電機株式会社  三浦工業株式会社  ヤンマー株式会社

③事業功労者(150名以上の会員所属団体)11件

株式会社IHI  川崎重工業株式会社  国立研究開発法人産業技術総合研究所  株式会社デンソー  株式会社東芝  東北電力株式会社  トヨタ自動車株式会社  日産自動車株式会社  株式会社日立製作所  三菱電機株式会社  三菱重工業株式会社

④事業功労(出版物)2件

出版センター機械工学便覧DVD版発行事業  久保田 裕二  黒坂 俊雄

東日本大震災調査・提言分科会  白鳥 正樹  吉村 忍  大隅 久  小澤 守  鎌田 崇義  小泉 安郎  近藤 惠嗣  永井 正夫  中村 いずみ  藤井 秀樹  藤田 聡  森下 正樹

⑤事業功労者(新企画・新事業)2件

機械遺産委員会  堤 一郎  緒方 正則  池森 寛  大久保 英敏  吉田 敬介

人材活躍・中小企業支援事業委員会  中山 良一  村上 俊明

⑥事業功労者(貢献)

技術ロードマップ委員会  平澤 茂樹  矢部 彰  渡邉 政嘉
JABEE機械関連分野審査委員会幹事会  佐藤 勲  荒居 善雄  中別府 修  志澤 一之  小野 直樹

⑦事業功労者(学会発展)2件

公益財団法人畠山文化財団  三浦工業株式会社

⑧事業功労(特別員在会40年以上)37件(創立110周年以前の既受賞特別員は除く)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社  国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構  NTN株式会社  株式会社エフ・シー・シー  金沢工業大学 ライブラリーセンター  危険物保安技術協会  キャタピラージャパン株式会社  共立出版株式会社  一般社団法人港湾荷役機械システム協会  コマツNTC株式会社  株式会社阪村機械製作所  株式会社サタケ  サンデン・アドバンストテクノロジー株式会社  JXエンジニアリング株式会社  自動車部品工業株式会社  新東工業株式会社  大豊工業株式会社  中国電力株式会社  東海大学 清水図書館  東京電力ホールディングス株式会社  東芝プラントシステム株式会社  日精樹脂工業株式会社  日東精工株式会社  株式会社日本製鋼所  日本トムソン株式会社  パナソニック株式会社 エコソリューションズ社  ビアメカニクス株式会社  東日本旅客鉄道株式会社  日立金属株式会社 電線材料研究所  日立金属株式会社 安来工場  日立建機株式会社  ファナック株式会社  株式会社松浦機械製作所  三井造船株式会社  三菱プレシジョン株式会社  株式会社明治  ヤマハ発動機株式会社 マリン事業本部ME事業部開発統括部

⑨会務協力者表彰11件

株式会社アトラス  株式会社オーム社  株式会社小野仁  株式会社コロナ社  三美印刷株式会社  株式会社春恒社  昭和情報プロセス株式会社  ニッセイエブロ株式会社  株式会社新田  丸善出版株式会社  八千代運輸有限会社

⑩職員表彰5名(創立110周年以前の既受賞者は除く)

川﨑 さおり  熊谷 理香  小阪 雅裕  曽根原 雅代  田中 克

創立120周年記念式典・祝賀会

開催日:2017年11月17日(金)

会 場:明治記念館

◇ 式 典 15.30~17.20

1.開式の辞

創立120周年記念事業委員会 委員長 有信 睦弘

2.来賓祝辞

内閣府総合科学・イノベーション会議 議員 原山 優子
Sir Roderick A Smith (Former President of the Institution of Mechanical Engineers)
Mr. J. Robert Sims (Former President of the American Society of Mechanical Engineers)
Dr. Wandoo Kim (President of the Korean Society of Mechanical Engineers)

3.120周年記念事業経過報告

(1)機械遺産経過報告 堤 一郎(機械遺産小委員会 委員長)
(2)新しい未来マップ経過報告 佐藤 勲(新しい未来マップ(ロードマップ)作成小委員会 委員長)

4.120周年表彰経過報告 福本 英士(式典と表彰小委員会 幹事)

5.功労者表彰

6.会長挨拶 大島 まり

7.閉式の辞 菱田 公一(創立120周年記念事業委員会 幹事)

◇ 祝賀会 17.30~19.15

(敬称略)

(文責 菱田公一)


「グローバル化」小委員会

120周年記念事業委員会「グローバル化」小委員会では、120周年記念式典での特別企画の実施の検討を行ってきた。グローバル化に関してはさまざまな切り口からの企画が考えられたが、本会としては2008年に国際チャプターインドネシアセクション、2009年には国際チャプタータイセクションの開所式を行い、アジアでの本会のプレゼンス向上を進めていることから、今回の特別企画においてもアジアに焦点を当てた企画を行うこととした。

さまざまな企画案を提案、検討した結果、最終的に“Diversity and Inclusion –Engineering Role in ASIA–”という表題のもと、以下の三つの特別企画を実施することとした。さらに、これに関連して、学会誌2017年10月号に「日本機械学会のグローバル化~アジア諸国との連携のあり方~」特集を掲載した。

当日は海外からの留学生約30名を含む、60名程度の参加があり、盛況のうちに終了した。

1.講演会:“Current Activities of Engineering Society, and the International Cooperation with JSME in the Future”

アジア諸国の機械系学会または関係組織の代表者を招き、各国における機械系学会の現状や関連する政策の紹介、本会との連携に関する今後の展望などについてご講演いただいた。講師陣は以下の通りである。

・Chinda Charoenphonphanich (King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang, Thailand)

・Mulyadi Bur (Andalas University, Indonesia)

・Hanafiah Yussof (Universiti Teknologi MARA, Malaysia)

・Chiang Juay Teo (National University of Singapore, Singapore)

・岸本喜久雄(東京工業大学)

2.ランチバンケット兼企業交流会

本会特別員企業と海外から日本に留学している学生との交流会を行い、日本企業への就職を考える際に留学生が抱える疑問を共有するとともに、留学生に卒業後も日本で働くことのイメージを具体化してもらう目的で交流会を企画した。留学生は食事をとりながら各企業のショットガンプレゼンテーションを聴いた後、各企業のブースにて企業担当者と自由に交流を行った。なお、本企画については、本会のInternational Unionに企画立案などの協力を仰いで実施した。

参加企業(7社):(株)荏原製作所、高砂熱学工業(株)、(株)テイエルブイ、(株)奈良機械製作所、(株)日立製作所、三菱重工工作機械(株)、ヤンマー(株)

3.シンポジウム:“Development of Human Resource”

ランチバンケット兼企業交流会に参加いただいた海外からの留学生を対象とし、各国の代表者から留学生へのメッセージや日本の大学における留学生受け入れの現状、及び留学の意義に関してご講演をいただいた。講師陣は以下の通りである。

・Harwin Saptoadi (Gadjah Mada University, Indonesia)

・Nasruddin Yusuf Rodjali (University of Indonesia, Indonesia)

・Chiang Juay Teo (National University of Singapore, Singapore)

・Chinda Charoenphonphanich (King Mongkut’s Institute of Technology Ladkrabang, Thailand)

・Hanafiah Yussof (Universiti Teknologi MARA, Malaysia)

・Truong Duc Phuc (Hanoi University of Science and Technology, Vietnam)

・小尾晋之介(慶應義塾大学)

(文責 菱田公一)


「学会(技術者として)のあり方・機械工学のあり方」小委員会

120周年を迎えて、日本機械学会の「技術者の学会」としての考え方や位置付けについて改めて検討することを課題として「学会(技術者として)のあり方・機械工学のあり方」小委員会を発足した。これまで、本会の普遍的な基盤についての議論がなされる機会はなかったため、機械技術および機械工学に関する学会としての根本について、小委員会にて議論を重ねた。その結果を日本機械学会憲章(案)として纏め、憲章の制定を提案した

日本機械学会憲章(案)

  • 日本機械学会(組織としての全体像)
  • 日本機械学会の役割(学会活動の方向性)
  • 学術の発展と社会の変化(学会の豊かな将来性)

また、検討の過程や概要を学会誌2017年1月号に紹介した。

本案は120周年記念事業委員会で承認され、理事会で日本機械学会憲章制定に向けた検討が行われている。

(文責 北村隆行)


「新しい未来マップ作成」小委員会

新しい未来マップ作成小委員会は、機械の日・機械週間の企画行事として実施している「絵画コンテスト」の応募作品を対象に、これらの作品に描かれている子供たちの夢の機械・キカイを実現するためのステップや必要とされる科学技術を考察し、未来の機械工学を想像することを目的とした「未来マップ作成プロジェクト」を実施した。

小委員会では、120周年に当たる2017年度に未来マップを作成することを目指して、それに必要なバックキャスティングの方法やスケジュールについて検討を進めた。2016年度には、検討結果を確認し、実効性を高める上で求められる改善策を模索するための「テストプロジェクト」を会員有志からなるテストプロジェクト検討会の協力を得つつ実施した。具体的には、2015年度の絵画コンテスト応募作品から、「空気をきれいにする車」、「天気をこうかんするキカイ」を選定し、これらを描いた子供たちの夢を実現するためのステップや開発課題を取りまとめて、2017年7月号の学会誌特集記事として発表した。

現在、これらの経験をもとに2016年度の絵画コンテスト作品に対する検討を行っており、2018年5月号に再度、未来マップに関する記事を掲載する予定としている。

(文責 佐藤 勲)


「10年のあゆみ編纂」小委員会

「日本機械学会 最近10年のあゆみ」発行

2007年から2016年までの10年間を、これまでの10年ごとの記念誌とはすこし項目を変更し、日本機械学会の活動に焦点をあててまとめた。

なお、これまでの記念誌は冊子体で発行していたが、今回はCDの形態で発行し、記念式典の出席者ならびに本会特別員、関係者等に寄贈した。

さらに、同CDの内容を本会ホームページにて公開し、本会会員だけでなく、広く一般の方も閲覧できるようにした。

 「日本機械学会 最近10年のあゆみ」構成

第1部 創立120周年に際しての歴代会長随想
第2部 最近10年のトピックス

総論、機械の日、機械遺産、東日本大震災、学術誌改編、技術ロードマップ、国際交流、Ladies’ Association of JSME、シニア会、JABEE

第3部 最近10年の部門活動
第4部 最近10年の支部活動
第5部 資料集

(文責 植田利久)


「機械遺産」小委員会

本会は2007年6月に学会創立110周年を迎え、後世に残すべき機械と機械技術の保存を促進するために、「機械遺産」の認定を開始した。機械遺産の認定は、純粋な機械工学の領域にとどまらず、社会・経済・文化・生活への貢献をも重視している。そのため社会的にも関心が極めて高く、同時期の世界遺産ブームとも相俟って、本会始まって以来の大きなマスコミ報道がなされている。

「機械遺産」小委員会では、創立110周年から創立120周年までの11年間に認定された「機械遺産」90件について、記念誌「機械遺産 2007-2017 ―機械遺産でたどる機械技術史―」としてまとめ、これを式典参加者へ記念品として贈呈すると共に、「機械遺産」関係各位にも寄贈した。

本誌は、「機械遺産」を機械種別と製造年代によって分類・整理することで、機械と機械技術の歴史をたどることが出来るように構成されている。機械種別は、A. 繊維機械、B. 生産・工作機械、C. 輸送機械、D. 動力機械、E. 鉄鋼・鉱山機械、F. 生活関連機械、そしてG. 機械工学史料の7分類、製造年代は、Ⅰ. 手工業主体の時代、Ⅱ. 蒸気動力の時代、Ⅲ. 電化・内燃化の時代、Ⅳ. 高度経済成長の時代、そしてⅤ. 電子制御化の時代、の5区分とした。

体裁はA5判フルカラー210ページ、「機械遺産」1件当たり見開き2ページを使用し、和英併記にて紹介している。

来る創立130周年に向けて、日本の近代化を支え続けている「機械と機械工学」の技術史をたどるという観点から、機械遺産をさらに充実・発展させることが大切である。それは、機械工学・技術に関わった技術者たちの、創造活動の証を後世に継承するべき大切な遺産となるからである。さらに、今後の機械技術教育においても、機械遺産が広く利活用されることを祈念する。

(文責 堤 一郎)


広報

会誌、ホームページのリニューアル

2017年1月に会誌とホームページをリニューアルした。会誌の表紙には絵画コンテストに応募いただいた子供たちの「夢の機械・キカイ」の絵を使用した。ホームページはスマホでも見易い構成とした。

シンボルフレーズ・ロゴマーク

「夢を形へ紡ぐ」というシンボルフレーズを基に、会誌のデザインを手掛けるSKG(株)の助川誠氏にロゴマークのデザインを依頼作成した。

 プレスリリース

創立120周年記念事業「未来マッププロジェクト」や記念式典・特別企画のプレスリリースを発信し、日刊工業新聞やSankeiBiz(フジサンケイビジネスアイ)などへ掲載された。


120周年記念事業委員会構成

120周年記念事業委員会は六つの小委員会から構成され、120周年記念事業の実施に向け活発な議論・活動を行った。委員構成は以下の通り。

「日本機械学会創立120周年記念事業委員会」

委員長 有信睦弘  幹 事 菱田公一

委 員 植田利久、北村隆行、久保田裕二、佐藤 勲、堤 一郎、福本英士

「創立120周年記念事業委員会小委員会」

◇「式典と表彰」小委員会

委員長 菱田公一  幹 事 福本英士

委 員 植田利久、北村隆行、佐藤 勲、堤 一郎

◇「グローバル化」小委員会

委員長 菱田公一

委 員 白石俊彦、関下信正、竹村研治郎、花村克悟、山崎美稀

◇「学会(技術者の会として)のあり方・機械工学のあり方」小委員会

委員長 北村隆行

委 員 梅川尚嗣、加藤千幸、久保田悠美、土屋和雄、吉村 忍

◇「新しい未来マップ作成」小委員会

委員長 佐藤 勲

委 員 井上裕嗣、阪上隆英、高木 周、高橋正樹、村上陽一

◇「10年のあゆみ編纂」小委員会

委員長 植田利久  幹 事 久保田裕二

委 員 秋葉敏克、中島 求、森 昌司、和田義孝

◇「機械遺産」小委員会

委員長 堤 一郎  副委員長 松岡茂樹

委 員 岩見健太郎、大久保英敏、福澤清和


*本事業の収支決算につきましては日本機械学会誌2018年3月号P.57をご参照ください。