関西支部便り2020
2020/07/22 |支部からのお知らせ
関西支部長から関西支部の活動のご紹介
第96期関西支部長 中部主敬(京都大学)
今期始動の直前から,新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大を防ぐため,様々な支部活動に制限がかかっています.昨期の掉尾を飾るはずの関西支部総会講演会@同志社大学京田辺キャンパスが中止になり,今期の各種講習会の延期や中止のほか,専門部会・懇話会・学生会・シニア会も余儀なく活動を抑制しています.また,日本機械学会本部の「機械の日」記念行事についても,東京五輪2020による首都混雑を回避すべく企画中だった中之島,中央公会堂での開催は見送ることになりました.そのような状況下において,関西支部では感染を拡大させないように対面での会合は年末まで一切取り止めること(これは本部方針にも沿ったものとなりましたが,治療などの確実な対処方法が確立されればその限りではありません)とし,一方でウェブ環境を充分に活用して支部活動の持続,活性を図ることとしました.一例として,機械系学生と企業を結ぶ技術情報誌「MECHAVOCATION2020」事業の一環としての行事,「協賛企業と学生員の意見交換会-インターンシップ編-」は会場に参集することなく,全編ウェブ上で現在,開催しています(期間:6月12日~8月31日,URL(http://mecha.kansai.jsme.or.jp/mecha2020/index.html)を参照下さい).本事業に協賛いただいている企業からの参加社数は昨期を大きく上回っており,参加企業各社への感謝とともに今期のMECHAVOCATION2021事業の一層の展開につなげたく思います.
日本機械学会関西支部は『関西地方における機械に関する学術および技術の進歩発展をはかり,かつ工業の発展のために尽くす』ことを目的とし,1925年(大正14年)6月28日に創設され,近畿6府県の機械工学に関連する全ての人々を対象にした多様な活動を諸先輩方が創出し,試行錯誤を重ねつつ展開してこられました.「コロナ」で未曽有の活動形態を強いられている現状においても,その伝統を絶やすことなく,当面はウェブ環境の活用,整備で支部情報の発信や会員サービスの維持,向上を目指したく思います.関西支部ホームページへのご意見もお待ちしています.会員の皆様方には関西支部の今後の活動へのご支援,ご協力を賜りたく,何とぞ宜しくお願い申し上げます.
関西学生会
関西学生会は関西地区の26の大学・高専の学生員で構成され,各校を代表する運営委員55名(内幹事14校33名)が中心となって活動しています.毎年11月開催の「メカライフの世界」展と3月開催の卒業研究発表講演会の二大イベントのほか,年2回の講演会,工場見学会,そしてメカボケーション協賛企業やシニア会との交流会なども行っています.定期的に開催する年8回の運営委員会で議論し,学生主体でこれらの企画・運営を行っています.
昨年は,小中学生を対象とした,機械のしくみやモノづくりの楽しさを体験してもらうイベントとして「メカライフの世界」展をバンドー神戸青少年科学館において,2019年11月16日(土)・17日(日)に開催しました.二足歩行ロボット,マスタースレーブ(MS)式ロボット,パイプオルガン,サーモグラフィなどの体験型展示では,学生委員の丁寧な説明で子供たちも楽しんでいました.また,カエルジャンプ,CDと風船でつくるホバークラフト,割りばしパチンコなどの工作メニューも用意しました.小さな子供でも作れるよう,また動作原理がわかりやすいように工夫しており,学生委員のマンツーマンでのサポートのもと子供たちにモノづくりを楽しんでもらいました.子供たちは,早速,会場で楽しく遊んでいました.来場者数は,のべ961名と盛況で,来場者アンケートでは全員から良い評価をいただきました.今年度の役員校は右表の通りです.今年度も運営委員一丸となって,昨年に負けない企画を鋭意すすめています.関西学生会の活動については,関西支部HP内の関西学生会のページで紹介していますので,是非ご覧ください.
( https://www.kansai.jsme.or.jp/Student/index.html )
関西学生会2020年度役員校
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集合写真
パイプオルガン
MS式ロボット
サーモグラフィ
割りばしパチンコ
写真: 関西学生会による「メカライフの世界」展での様子 (2019年11月)
技術情報誌「MECHAVOCATION 2020」
MECHAVOCATIONは「機械技術者の天職」という意味の事業で,1993年度より展開し,関西に拠点を置く産業界と学界の交流の場を種々提供して参りました.
「MECHAVOCATION2020」はその核となる技術情報誌で,主として①関西支部賞受賞技術紹介,②協賛いただいた企業の紹介,③関西地域の大学・短大・高専の学校紹介から構成されており,日頃企業を知る機会の少ない学生にとって将来の進路選択の媒体として有用な手段となっています.毎年,関西地区の機械系学生約6,000名,全国160校の就職担当教職員および協賛企業に配布する一方,インターネット版を公開し,支部と学校,企業を結ぶ情報媒体として広く活用いただいています.機械工学を学ぶ学生や機械技術者に期待される役割が複雑化・多様化している現在,学生と企業との間を取りもつ社会貢献の役割を果たしています.
学生のための企業技術発表会
MECHAVOCATION刊行の事業に付随する行事として,2019年12月7日に近畿大学で「学生のための企業技術発表会」を開催しました.今回で14回目を迎えるこの発表会は,企業が機械系の学生参加者に各社の独自技術を紹介するユニークな企画で,今回は技術情報誌「MECHAVOCATION2020」協賛企業の中から118社(246名)と,参加校22校504名(教員27名,学生477名)の計750名が出席しました.前半は企業のショートプレゼンテーション,後半はブースにて個別説明が行われました.夕方には懇親会が開催され,学生,大学・高専および企業からの参加者が交流し,学生参加者は日頃学んでいる機械工学が実際に企業でどのように役立っているのかを知ることができました.
2020年度の「学生のための企業技術発表会」は,新型コロナウイルスの影響で2020年11月にWEBを活用してオンラインで開催する予定です.また,2019年度から定例行事とした「メカボケーション協賛企業と学生員との意見交換会―インターンシップ編―」は,当初2020年6月13日に近畿大学で開催予定でしたが,新型コロナウイルス感染拡大防止のため6月12日~8月31日までの期間でWEB開催とし,協賛企業各社からの動画メッセージとそれに対するアンケートに答える形式で開催しています.
(http://mecha.kansai.jsme.or.jp/mecha2020/index.html).
プレゼンテーション会場
ブースでの個別説明
懇親会での議論
写真: 「学生のための企業技術発表会」での様子 (2019年12月)
第95期定時総会・講演会・2019年度関西学生会学生員卒業研究発表講演会
関西支部最大の行事である定時総会講演会(特別講演・学術講演・懇親会)・関西学生会学生員卒業研究発表講演会(特別講演・講演会・懇親会)を 当初2020年3月10~12日に同志社大学京田辺キャンパス(京都府京田辺市)で開催する予定でしたが,新型コロナウイルス感染拡大防止のため,残念ながら現地での開催を中止いたしました.定時総会のみ3月11日に大阪科学技術センターで実施いたしました.第95期目の定時総会・講演会では297名の事前参加登録のもと,218件の講演申し込みがありました.講演を申し込まれた方については講演論文集DVDの発刊をもって既発表とさせていただきました.メカボケーション学生研究発表セッションは,対面形式での実施はできなくなりましたが,ポスターのデーターを元に優秀ポスター賞が選出されることになりました.57件の発表予定者のうち31名からポスターデーターの提出があり,それを元に支部幹事会で選考を行い,3名の方に同賞が授賞されました.また,関西学生会卒研発表講演会では,今回529名の事前参加登録があり,講演申し込みのあった354件につきましては講演論文集DVDの発刊をもって既発表とさせていただきました.
発行された講演論文集DVD
シニア会活動のご紹介
関西支部シニア会は,会員相互の親睦交流および経験,技術,知恵を活かした社会貢献を通じて,シニアライフを充実させながら関西支部の発展に寄与することを目的として2006年4月に発足し,今期で第15期目を迎えました.会員数は218名を数えるに至りました.本年度も活動の幅を広げるべく計画を立てておりましたが,新型コロナウイルスの感染拡大に伴い,諸活動の中止または延期を余儀なくされる状況になっております.
社会貢献の一環である「親と子の理科工作教室」はこれまでに累計6,500名を超える児童の参加を得ています.今年度も8月の本部主催の「機械の日」記念イベントでの教室開設を含め,24会場で48教室程度,大阪市の理科特別授業として7校程度の授業を計画しておりました.しかし,子供達と講師の安全を守るために,今期の活動は残念ながら中止せざるを得なくなりました.会員間の親睦交流の一環である「情報交流サロン」では,会員の経験・学識などを幅広く披露してもらい,技術や社会に関わる視野が広がることで好評です.昨年度は3回開催され,各回30名前後の参加を得て和気あいあいの雰囲気の中で感想や質問など自由かつ熱心な討議が行われました.写真は昨年度8月に開催されたサロンの風景です.本年度はコロナ禍で3回の開催は難しい見通しです.
学生の社会観の醸成を目的とする「シニア会と学生会との交流会」は,昨年度は,10月6日(日)に学生20名,シニア9名,学生会幹事長の参加を得て開催しました. 今年度は中止の公算が強くなっています.
毎年数名ずつの実績を挙げている大学・高専等への「非常勤講師の紹介」は今年度も継続致します.昨年度は,個々の企業のニーズに応じた「企業内技術者教育」を3社に対して実施しました.技術開発型企業を訪問する「特徴ある技術を有する企業見学会」を2回,先人の努力の跡を知る「機械・産業遺産ツアー」を1回開催しました.また,関西電力(株)大飯発電所見学の研修キャラバンを実施しました.
今年度は,シニア会の次の発展に向けてエネルギーを蓄える期間ととらえ運営する所存です.詳細は関西支部シニア会ホームページ http://www.kansai.jsme.or.jp/Senior/ をご覧ください.
シニア会サロン風景
組織と活動の概要
関西支部は,定時総会講演会のほか,産官学の研究者が集う8つの懇話会の企画による秋季技術交流フォーラムや,商議員・代表会員が専門分野ごとに所属する5つの専門部会の協力の下,講習会を活発に開催しています.また,学生員が主体的に運営している関西学生会や,豊富な経験・知識を活かして社会貢献等に取り組むシニア会が活発に活動すると同時に,幹事会を毎月開催し,年3回の商議員会と定時総会で意見交換しながら,支部の運営を進めています.
第96期 2020年度主要行事(予定)
開催月 | 行 事 |
’20.04 | 第1回商議員会・専門部会(商議員会は委任状に基づき,幹事会構成員のみによるWeb開催.専門部会は中止) |
’20.05 | 第367回講習会 破壊力学の基礎と最新応用(実験実習,計算演習付き)(中止) |
’20.06 | MECHAVOCATION 2020「協賛企業と学生員の意見交換会 ―インターンシップ編―[Web開催(動画配信)] |
’20.07 | 第368回講習会 事例に学ぶ流体関連振動(トラブル事例相談会付き)(延期) |
’20.08 | 「機械の日・機械週間」記念行事(中止) |
’20.09 | 第2回商議員会・サロンde関西支部(商議員会はWeb開催.サロンde関西支部は中止) |
特別フォーラム (秋季技術交流フォーラムとして10月17日にWEB開催) | |
第648回見学会 (中止) | |
’20.10 | 第369回講習会 熱応力による変形・破壊の評価方法と対策事例[Web開催] |
第21回秋季技術交流フォーラム[Web開催] | |
’20.11 | 第370回講習会 実務者のための流体解析技術の基礎と応用[Web開催]
(各種シミュレーション技術の適用事例紹介付き) |
ステップアップ・セミナー2020 (中止) | |
関西学生会「メカライフの世界」展(予定) | |
MECHAVOCATION 2021「学生のための企業技術発表会」[Web開催] | |
’20.12 | 第371回講習会 機械加工技術の基礎理論と最新動向~基礎理論から最新動向まで事例を
交えて詳しく解説します~ [Web開催] |
’21.01 | 第372回講習会(第368回講習会延期分) 事例に学ぶ流体関連振動(トラブル事例相談会付き) (予定) |
’21.02 | 旧新商議員会・専門部会 (予定) |
就職に関する企業と学校の交流会 (予定) | |
’21.03 | 2020年度関西学生会学生員卒業研究発表講演会[大阪大学] (予定) |
第96期定時総会・講演会[大阪大学] (予定) | |
第96期定時総会見学会 (予定) |
*中止やWeb開催は,新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大防止に伴う措置.