一般社団法人 The Japan Society of Mechanical Engineers

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関西支部便り2019

2019/08/08 |支部からのお知らせ

関西支部長から関西支部の活動のご紹介

第95期関西支部長 伊藤宏幸(ダイキン工業)

 

平成から令和へ新たな時代を迎えました.1925年(大正14年)6月28日,日本機械学会関西支部は,「関西地域における機械分野の学術及び技術の進歩を図り,かつ工業の発展に尽くす」ことを目的として設立され.爾来,大阪,京都,兵庫,滋賀,奈良,和歌山の6府県の,およそ機械工学に関連する全ての人々を対象に多様な活動を続けています.関西支部便り2019では,その一部をご紹介しますが,ジュニア会友からシニア会まで幅広い年齢層の会員が交流を深めながら,さらに機械学会の枠を超えて,頻繁にイベントを実施していることをご理解いただけるかと思います.簡単な試算によれば,関西支部会員一人当たりの経常費用は,正員の年会費を超えています.これらは,一朝一夕に成し遂げられるものではなく,先輩方によって創出され,試行錯誤を重ねながら現在の姿に至っており,また,毎年のように新たな試みがなされています.こうした伝統と進取の運営を担っているのが,正会員から負託を受けた商議員会および幹事会ですが,各種規程の改正によって,本年度より幹事会構成人数の変動化を実現しました.それに伴い,特命幹事会が新設され,支部の重要課題に迅速に対応する制度が整備されました.また,上述した多様な交流を助成し,さらなる拡大を図る目的で「共創プロジェクト資金」制度の試行を開始しています.2025年には,日本国際博覧会(大阪・関西万博)が開催されます.同じタイミングで関西支部も100周年を迎えますので,数種類の記念イベントの準備に着手したところです.今後も関西支部の活動にご期待ください.ご覧になった皆様からのご意見をお待ちしております.

 

関西学生会

関西学生会は関西地区の24の大学・高専の学生員で構成され,各校を代表する運営委員57名(内幹事12校33名)が中心となって活動しています.毎年11月開催の「メカライフの世界」展と3月開催の卒業研究発表講演会の二大イベントのほか,年2回の講演会,工場見学会,そしてメカボケーション協賛企業やシニア会との交流会なども行っています.定期的に開催する年8回の運営委員会で議論し,学生主体でこれらの企画・運営を行っています.昨年は,小中学生を対象とした,機械のしくみやモノづくりの楽しさを体験してもらうイベントとして「メカライフの世界」展をバンドー神戸青少年科学館において,2018年11月10日(土)・11日(日)に開催しました.二足歩行ロボット,ホバークラフト,パイプオルガン,高速度カメラなどの体験型展示では,学生委員の丁寧な説明で子供たちも楽しんでいました.また,圧電ライト,CDと風船でつくるホバークラフト,アイスの棒でつくるマジックハンドなどの工作メニューも用意しました.小さな子供でも作れるよう,また動作原理がわかりやすいように工夫しており,学生委員のマンツーマンでのサポートのもと子供たちにモノづくりを楽しんでもらいました.子供たちは,早速,会場で楽しく遊んでいました.来場者数は,のべ1,090名と盛況で,来場者アンケートでは全員から良い評価をいただきました.今年度の役員校は右表の通りです.今年度も運営委員一丸となって,昨年に負けない企画を鋭意すすめています.関西学生会の活動については,関西支部HP内の関西学生会のページで紹介していますので,是非ご覧ください.

https://www.kansai.jsme.or.jp/Student/index.html

関西学生会2019年度役員校

委員長校 神戸大工
副委員長校 同志社大
大阪大基礎工
書記校 大阪産業大
会計校 大阪市大
幹事校
 大阪大工,大阪工業大,

大阪府大,関西大,京都大,

近畿大,兵庫県大,龍谷大

 

運営委員集合写真

 

二足歩行ロボット

 

ホバークラフト

 

マジックハンド

「メカライフの世界」展  2018

技術情報誌「MECHAVOCATION 2019」

MECHAVOCATIONは「機械技術者の天職」という意味の事業で,1993年度より展開し,関西に拠点を置く産業界と学界の交流の場を種々提供して参りました.

「MECHAVOCATION2019」はその核となる技術情報誌で,主として①関西支部賞受賞技術紹介,②協賛いただいた企業の紹介,③関西地域の大学・短大・高専の学校紹介から構成されており,日頃企業を知る機会の少ない学生にとって将来の進路選択の媒体として有用な手段となっています.毎年,関西地区の機械系学生約6,000名,全国160校の就職担当教職員および協賛企業に配布する一方,インターネット版を公開し,支部と学校,企業を結ぶ情報媒体として広く活用いただいています.機械工学を学ぶ学生や機械技術者に期待される役割が複雑化・多様化している現在,学生と企業との間を取りもつ社会貢献の役割を果たしています.

学生のための企業技術発表会

MECHAVOCATION刊行に付随する事業として,2018年12月15日に近畿大学で「学生のための企業技術発表会」を開催しました.今回で13回目を迎えるこの発表会は,企業が機械系の学生参加者に各社の独自技術を紹介するユニークな企画で,今回は技術情報誌「MECHAVOCATION2019」協賛企業の中から111社(250名)と,参加校21校394名(教員19名,学生375名)の計644名が出席しました.前半は企業のショートプレゼンテーション,後半はブースにて個別説明が行われました.夕方には懇親会が開催され,学生,大学・高専および企業からの参加者が交流し,学生参加者は日頃学んでいる機械工学が実際に企業でどのように役立っているのかを知ることができました.2019年度の「学生のための企業技術発表会」は,2019年12月7日に近畿大学で開催予定です.また,一昨年から試行的に行っていた協賛企業と学生会の意見交換会を,2019年度から定例行事「メカボケーション協賛企業と関西学生会との意見交換会―インターンシップ編―」とし,2019年6月8日に主題を学生会の活動紹介とインターンシップの説明に絞って開催しました.企業29社,学生61 名が参加しました.

プレゼンテーション会場

 

企業による個別説明

 

懇親会

第94期定時総会・講演会・ 2018年度関西学生会学生員卒業研究発表講演会

関西支部最大の行事である定時総会・講演会・関西学生会学生員卒業研究発表講演会が2019年3月10~12日に立命館大学(滋賀県草津市)で開催されました.第94期目の定時総会・講演会では367名の参加のもと,基調講演4件のほか,研究討論セッション135件,メカボケーション学生研究発表セッション53件,および関西支部賞受賞記念講演2件を含む計194件の講演発表と,経済産業省製造産業局 栗栖一郎氏による「自動車新時代における日本の電動化戦略とモデルベース開発」,立命館大学 特別任用教授 東山篤規氏による「身体姿勢と視知覚」の特別講演がありました.定時総会では定例の議案審議の後,関西支部賞10件,学生員増強功労者11校の表彰が行われました.また,関西学生会卒研発表講演会では,今回655名の参加者があり,JAXA 宇宙科学研究所 教授 稲谷芳文氏による「ロケットの将来と一般大衆の宇宙旅行」の特別講演が行われたほか,学生員による400件の講演発表が行われ,活発な講演会となりました.懇親会では,支部長からBest Presentation Awardsが40名の学生員に贈呈されました.さらに,3月13日には定時総会見学会が鉄道総合技術研究所 風洞技術センターで催され,風洞や新幹線高速試験車両などの貴重な研究開発の現場を見学させていただきました.

特別講演

 

学生研究発表セッション

 

懇親会

シニア会活動のご紹介 

関西支部シニア会は,会員相互の親睦交流および経験,技術,知恵を活かした社会貢献を通じて,シニアライフを充実させながら関西支部の発展に寄与することを目的として2006年4月に発足し,今期で第14期目を迎えました.会員数は昨年度に12名増えて,225名を数えるに至りました.

社会貢献の一環として実施している「親と子の理科工作教室」は開始後11年が経過した現在も活発に活動を継続しております.今年度も,多くの自治体などからの要請により,24会場で42の教室を開催する他,大阪市の理科特別授業として9校で理科の単元に合わせた授業を計画しています.

学生の社会観の醸成を目的として毎年実施している「シニア会と学生会との交流会」も継続しています.昨年度は,10月28日(日)に,学生22名,シニア8名,学生会幹事長の参加を得て,シニア会会長からの基調講演ならびにシニア会メンバーからの経験談の後,学生員2名から,それぞれ,「現代社会に求められる技術者とは」,「学生が考える現代社会における技術者の働き方」と題する提言をいただき,シニア会メンバーを交えたグループ別討議を実施しました.

また,大学・高専等への「非常勤講師の紹介」では毎年数名ずつの実績を挙げています.個々の企業のニーズに応じた教育を実施する「企業内技術者教育」は,昨年度は4社に対して実施しました.

また,昨年度は会員の経験・学識などを披露してもらい議論する「情報交流サロン」を3回,成長している技術開発型企業を訪問する「特徴ある技術を有する企業見学会」を3回,先人の努力の跡を知る「機械・産業遺産ツアー」を1回開催しました.詳細は関西支部シニア会ホームページhttp://www.kansai.jsme.or.jp/Senior/ をご覧ください.

学生会との交流会

グループ討議風景

 組織と活動の概要

関西支部は,定時総会講演会のほか,産官学の研究者が集う8つの懇話会の企画による秋季技術交流フォーラムや,商議員・代表会員が専門分野ごとに所属する5つの専門部会の協力の下,講習会を年6回開催しています.また,学生員が主体的に運営している関西学生会や,豊富な経験・知識を活かして社会貢献等に取り組むシニア会が活発に活動すると同時に,幹事会を毎月開催し,年3回の商議員会と定時総会で意見交換しながら,支部の運営を進めています.

第95期 2019年度主要行事(予定)

開催月 行   事
’19.04 第1回商議員会・専門部会
’19.05 第361回講習会 構造・強度設計における数値シミュレーションの基礎と応用
’19.06 メカボケーション協賛企業と関西学生会との意見交換会 ―インターンシップ編―
’19.07 第362回講習会 実務者のための騒音防止技術(展示,簡易実習付き)
’19.08 「機械の日・機械週間」記念行事 青少年のための講演会「夢を実感する」
’19.09 第2回商議員会・サロンde関西支部
特別フォーラム Society5.0がもたらす新しい社会
第647回見学会 コマツ 大阪工場・生産技術開発センタ
’19.10 第363回講習会 応力計測の基礎とその応用(デモンストレーション付き)
第20回秋季技術交流フォーラム[大阪市立大学]
’19.11 第364回講習会 実務者のための流体解析技術の基礎と応用(各種シミュレーション技術の適用事例紹介付き)
ステップアップ・セミナー2019 自動車関連技術開発の新展開
関西学生会「メカライフの世界」展
’19.12 第365回講習会 機械加工技術の基礎理論と最新動向 ~基礎理論,IoT,モニタリング,3D造形,レーザー加工~
MECHAVOCATION 2020「学生のための企業技術発表会」
’20.01 第366回講習会 実務者のための振動基礎と制振・制御技術
’20.02 旧新商議員会・専門部会
就職に関する企業と学校の交流会
’20.03 2019年度関西学生会学生員卒業研究発表講演会[同志社大学]
第95期定時総会・講演会[同志社大学]
第95期定時総会見学会

 

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