2001年度日本機械学会年次大会の報告
2001/10/19 |事務局からのお知らせ
委員長 山 本 富士夫
2001年度日本機械学会年次大会が,8月27日(月)から30日(木)までの4日間,福井大学(福井市文京3-9-1),福井工業大学(福井市学園3-6-1)及びフェニックスプラザにおいて開催された.大都市圏外で,しかも3会場に分かれて実施されたにもかかわらず,講演発表1 305件,基調講演23件,先端技術フォーラム19件,ワークショップ27件,新技術開発リポート4件,新企画行事4件,国際シンポジウム1件があり,参加者約2 400人の参加を得て,成功裡に終えることができた.以下に大会の諸行事について簡単に報告する.
8月27日の見学会は,福井名所コースと原子力発電所見学コースに分かれて行われた.29日の午後には,本会初の「The Asian T.O.P.(Technical Organization Presidents) Panel」が開催された.小林敏雄本会会長,中国机械工程学会の何光元会長,大韓機械学会の郭柄晩会長,インドネシア工学会のコユム会長が,各国のエネルギー,環境,経済の現状と今後の取組みを紹介した.このパネルは,来年度以降も継続されるとのことで,本会のグローバル化を象徴する企画となった.その後,産業技術総合研究所 吉川弘之理事長による特別講演「これからの科学技術研究」が行われた.社会の持続的発展に関する全地球的規模の論議を背景に,我が国のこれからの科学技術研究のあり方が述べられ,知識と技術の結びつきが密な科学技術者集団として機械学会の役割が極めて大きいとのエールが送られた.夕刻には,福井工業大学総合健康増進センターにおいて懇親会が開催され,約200名が参加した.大会委員長 立花規良福井大学教授の挨拶を皮切りに,小林敏雄本会会長の挨拶,福井工業大学 金井兼造総長と福井大学 児嶋眞平学長のご挨拶,北陸信越支部長 長谷川富市新潟大学工学部長の音頭による乾杯のあと懇談に移り,福井を産地とするハープとフルートの演奏をバックに懇親を深めた.次回年次大会開催校の東京大学 田中正人教授のご挨拶で締めくくられて無事お開きとなった.30日には,JABEE(日本技術者教育認定機構)による技術者教育の現状と今後」があった.昨年実施された試行結果を踏まえ変更された認定基準と,主要分野のキーワードが明示された.質疑応答も活発に行われ,予定時間を大幅に超過した.また,午後からは産官学フォーラム「産官学連携と地域産業おこし」が開催され,産学連携の現状と課題,大学から企業への技術移転,TLO(技術移転機関)の活用についての講演や福井県における産官学連携の事例をもとにパネル討論が行われた.
今回は,市民対象行事として,中等教育における理科 ・技術科教育に関する市民フォーラムなど6件が開催され,連日地元の新聞とテレビ,ラジオのニュース番組で取り上げられ,機械工学と本会の存在を一般市民に大きくアピールできたことは大変喜ばしいことであった.
21世紀最初の年次大会として,Webの講演申し込み,会誌会告原稿の有料化に伴うプログラムのホームページ上での案内,液晶プロジェクターの使用などIT化が一気に進んだが,講演論文集のCD化は今後の課題となった.今回の年次大会は,主要会場が2大学に分割され若干の混乱もあったようであるが,全体的にはシャトルバスの運行によって会場間の移動もスムーズに行われ,大きなトラブルもなく無事に終えることができた.これも,ひとえに関係各位のご理解とご協力の賜物である.実行委員会を代表して,会員各位,各部門,部門協議会,理事会及び機器 ・カタログ展示会にご協力いただいた各社の皆様に感謝の意を表する.また,種々の面で大会の実行にご協力いただいた福井大学,福井工業大学の職員の方々,ならびに日本機械学会職員各位に厚く御礼申し上げる.
小林敏雄会長講演(The Asian T.O.P. Panel) | 金井兼造福井工業大学総長挨拶(懇親会) |
立花規良大会委員長挨拶(懇親会) | 児嶋眞平福井大学学長挨拶(懇親会) |
特別講演:吉川弘之氏(産業技術総合研究所理事長) | 産官学フォーラム |
【大会委員】
委員長 立花規良(福井大),幹事 山本富士夫(福井大),委員 田口裕也(日立),中川紀壽(広島大),松本洋一郎(東大),澤田隆治(セイコーエプソン),瀧本 昭(金沢大),木村繁男(金沢大),清水保雄(信州大),増田 渉(長岡技科大),岩城敏博(富山大),高岡 勉(松浦機械),大住 剛(富山大),日向 滋(信州大),住田敏憲(セイコーエプソン),斉藤明宏(新潟工科大),福島忠男(第一測範),川越 誠(富山県大),藤田政治(佐藤鉄工),谷口文温(富士精工),山崎光悦(金沢大),岩井善郎(福井大),川端信義(福井大),羽木秀樹(福井工大)
【実行委員会】
委員長 山本富士夫(福井大),幹事 岩井善郎(福井大),羽木秀樹(福井工大),副委員長 朝倉俊行(福井大),竹内正紀(福井大),田中貞行(福井工高専),委員 山崎光悦(金沢大),尾田十八(金沢大),服部修次(福井大),白石光信(福井大),家元良幸(福井大),加藤 聰(金沢工大),齋藤 晶(富山商高専),藤田稔彦(東京商大),曽根 彰(京都工繊大),本田知己(福井大),廣安知之(同志社大),加藤隆雄(岐阜大),山田泰弘(福井大),川端信義(福井大),汲田幹夫(金沢大),田畑雅郎(トヨタ自動車),坂村芳孝(富山県大),小幡谷洋一(福井大),石本昌三郎(東京電力),牧野亮哉(福井大),浅田敏勝(福井工大),石川拓司(福井大),伊藤隆基(福井大),太田淳一(福井大),小澤康美(福井工大),河合伸泰(福井工大),川井昌之(福井大),川谷亮治(福井大),北山誠二(福井工大),久保田直行(福井大),小寺 忠(福井大),後藤善弘(福井大),古村義彰(福井大),澁谷敦義(福井工大),新谷真功(福井大),高塚公郎(福井工大),高橋善雄(福井大),竹下晋正(福井大),田上秀一(福井大),永井二郎(福井大),浪花智英(福井大),原 洋一(福井工大),藤井博知(福井工大),前川紀英(福井大),松下 洸(福井大),水島一祐(福井工大),見浪 護(福井大),宮崎芳郎(福井工大),村井祐一(福井大),飯井俊行(福井大),安丸尚樹(福井工高専)
(日本機械学会誌2001年10月号より転載)