次に,「産業考古学シリーズ」では,北海道札幌開成高校の山田大隆氏により「北海道のデンプン水車」と題する講演があった.北海道はご存知の通り馬鈴薯の産地であり,それを原料としたテンプン製造は幕末から普及し始めた.デンプンの製造方法は,馬鈴薯を洗浄し,砕いて細かくして水に入れ,沈殿したデンプンを乾燥させて製品にする,という比較的単純な方法であるが,長い歴史の中で独特の技術革新が進み,大量生産技術が確立していった.このデンプン製造に必要な動力源として,北海道では水車が多用され,ごく最近までかなりの量のデンプン製造動力用水車が活躍してきた.本講演では,北海道の主なデンプン産地と工場の紹介,ならびにそれらの工場における動力用水車の変遷について詳細に紹介頂いた.
北海道ならではともいえる話題提供に興味を覚えた方が多かったせいか,いずれのワークショップも大勢の参加があり,大変盛況な会議であった.なお,本講演の概要は,日本機械学会2004年度年次大会講演資料集VOl.8,pp484-489にある.
|