トピックス(2003年度年次大会より) 焼玉機関(エンジン)実演展示会 |
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ところで,「焼玉機関」をご存知の方は,今の会員でどのくらいいらっしゃるのだろうか? あるいは,この「業界」の人間なら,言葉ぐらいは知っているかも知れない.が,おそらくそれを実際に見たり触ったりした方は1割に満たないのではないか? 著者も幼少時代を北九州工業地帯で過ごしたため,焼玉機関を搭載した船が「ポンポンポン」と乾いた音を立てながら走って行くのを見た記憶がかすかにあるが,小学校の高学年(1960年代後半)頃にはもうほとんどその音を聞いた記憶がない. |
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展示会に供された焼玉機関10台はすべて,各地に住む収集家の貴重なコレクションであり,すべてが動体保存品であった.近くは徳島市内から,遠くは大分県から本会のために輸送され,キャンパス内の機械工学科中庭に並べられた. そして,いざ始動すると…,やっぱり「ポーーーン,ポーン,ポン」と昔聞いた焼玉機関特有の音がした.おそらく,年配の参加者には大変懐かしい音だったであろう.が,どう考えても音が大き過ぎる.さらに馬力が小さい.もちろん,動力計があったわけではなく,同出力のディーゼル機関が同時展示されていて,2者を比較しただけであるが,後者は前者の10分の1ぐらいの体積であった.ディーゼル機関は最近のものであるので,直接の比較はフェアでないかも知れないが,いずれにせよ,焼玉機関が特に第2次世界対戦後に急速に使われなくなった理由が奇しくもこの展示会で実感することができたようである. |
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