技術はいま，資源，環境問題をはじめ，巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている．技術が受け入れられて発展するのも，拒絶され衰微するのも，また技術者の社会的地位のあり方も社会との深い関わりの中にあることは明らかである．我々が新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば，人間についての深い洞察を持つとともに，社会の動きを正しく見極めなければならない．技術と人間，技術と社会の関わりについて現状を理解し，将来を展望することを目的とする．

「学校をつくろう！子どもの心がはずむ空間」　by Coelacanth

　学校の建築が、今、急速に変わろうとしていることをご存知でしょうか。学校は勉強をするところで、何が変わるのか？変わりようがあるのか？と多くの方は思っていらっしゃいます。実は、すべての人が通過する義務教育の学校空間には、人に働きかける無限の力があるのです。環境・施設が人の気持ちに与える力の凄さを、学校建築に携わる中で多くの体験をしました。
　今、高度経済成長期に一斉に建てられた学校建築が、負のストックとして耐震と安全の面で問題を生じ、建て替えの時期に来ています。器としての学校建築が、いかに子ども達にも・教職員にも大きな影響を与えるのか、実作を通してご紹介したいと思います。未来を担う子ども達の世界に大人たちが何をすべきか考えるきっかけになればと思います。

講師：　工藤和美（建築家　東洋大学教授）

日本機械学会（担当職員　加藤佐知子）Ｅ-mail:kato@jsme.or.jp　,FAX. 03-5360-3508