イブニングセミナー(第102回)

(技術と社会部門企画)


開 催 日: 2008年1月30日18:00〜20:00 (水曜日)
会   場: 早稲田大学理工学部(大久保キャンバス)55号館2階第3会議室
[東京都新宿区大久保 3-4-1/電話(03)5286-3000/JR「高田馬場」駅戸山口下車 徒歩12分,都バス「都立 障害者センター」下車徒歩1分,地下鉄東西線「高田馬場」駅下車徒歩12分] →早稲田大学キャンパス案内図(早稲田大学のホームページ)
趣   旨:  技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も社会との深い関わりの中にあることは明らかである.我々が新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
テーマ
および講師:

「JR西日本・福知山線事故調査報告書を読み解く」

 2007年6月に公表された福知山線事故調査報告書の内容は大きな問題をはらんでいる。
 事故原因を正しく把握することはいうまでもなく事故調査に当たるものの第一の任務である。しかし、報告書では「制限速度を大幅に超える速度で曲線に進入したため、1両目が左へ転倒するように脱線し」と、あたかも脱線が主要因であるかのような表現をしている。しかし、本件事故の態様は転覆であり脱線はその結果にすぎない。脱線は様々な要因が関与するが転覆(福知山事故)の原因は速度超過のみである。事故原因がいずれであるかは事業者が負うべき責任論に大きな相違を与える。
 そして、工学的判断についても、その妥当性に疑問を残すものとなっている。私の検討によれば、台車構造の不備が転覆の大きな原因になっているにもかかわらず、それについての指摘が全くなされていない。
 この報告書では、車両の諸元などの基礎データの開示が無く、報告書の結論を外部から再チェックすることができない。2000年に発生した地下鉄日比谷線の脱線衝突事故の報告書では詳細な基礎データの開示があったにもかかわらずである。
 事故報告書の詳細な検討を踏まえ、報告書の問題点、事業者の問題点、今後のあるべき再発防止策を示す。

内容概略:
・事故調査報告書の内容
・私の工学的解析と事故原因の評価
・あるべき再発防止策
・事故調査報告書の問題点
・事業者の問題点



講師:佐藤 国仁
(有)佐藤R&D代表取締役、京都大学等非常勤講師(機械安全、技術者倫理)、専門は機械安全、技術者倫理、技術士受験指導

定   員: 40名
参 加 費: 会員1000円(学生無料),非会員1500円(学生非会員500円)(当日会場にて受け付けます)
申込み方法: 「イブニングセミナー(第102回)申込み」と題記し,(1)会員資格(会員番号),(2)氏名,(3)勤務先・所属,(4)連絡先(郵便番号・住所・電話番号・E-mailアドレス)を明記の上,E-mailまたはFAXにて下記までお申し込みください.
なお,当日会場でも申込みを受付けます.
FAX送付先: (03)5360-3508(担当職員 加藤佐知子)E-mail:kato@jsme.or.jp
問合せ先: 〒150-8677 東京都渋谷区恵比寿2-27-10 日機装第2別館
日機装(株)流体技術カンパニー
 小西義昭
TEL:03-3443-3728  FAX:03-3444-2403
E-mail:y.konishi@nikkiso.co.jp


都立産業技術高専
 吉田喜一
TEL:03-3801-0146 ex.544
E-mail:kyoshida@kouku-k.ac.jp

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