イブニングセミナー(第94回)

(技術と社会部門企画)


開 催 日: 2007年5月30日18:00〜20:00 (毎月最終水曜日開催)
会   場: 早稲田大学理工学部(大久保キャンバス)55号館2階第3会議室
[東京都新宿区大久保 3-4-1/電話(03)5286-3000/JR「高田馬場」駅戸山口下車 徒歩12分,都バス「都立 障害者センター」下車徒歩1分,地下鉄東西線「高田馬場」駅下車徒歩12分] →大久保キャンパスの地図(早稲田大学のホームページ)
趣   旨:  技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も社会との深い関わりの中にあることは明らかである.我々が新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
テーマ
および講師:

「大工魂―匠の技と心意気」

 大工の職人技を語ってもらうと、大工道具から自然環境の話まで繋がる。前場氏が語る内容は、その著作「完全無垢の家づくり」の「発刊にあたって」を書かれた永六輔氏の文章をそのまま引用させていただく。

職人の心意気が伝わる本          永六輔

前場さんを、「前場さん」と呼ぶ気がしない。
やっぱり「棟梁」であり「親方」だ。
棟梁は職人であると同時に学者でもある。
学者でもあるが絶対に学者ぶらない。
棟梁の古代瓦の研究は、同姓同名の学者がいるのかと思った。
棟梁は学者でありながら、親方の風格も備え無ければならない。
その棟梁が伝統的な建築技術を伝えるには何が必要かを説いた一冊である。
そういう本を書かずにいられなくなったのが平成の職人の世界なのだろう。
僕のような外の人間には充分に後継者が育っているように見えるが、棟梁はそう思っていないようだ。
「技術は伝わるが、心意気が伝わらない」
これは棟梁から聞いた重い一言。
例えばドイツのマイスター制度のように誇りを持った職人を育てる環境が無い。
徒弟制度は、誤解された揚げ句、過去のものとでして片付けられてしまいそうだ。
徒弟制度でなければ伝えられないものがあるということが理解されない。
ドイツのように、子供の頃から「モノを作る人間になれるか」「モノを研究する人間になれるか」を考えながら勉強し、ゆっくり生きる道を選ぶようになっていない。
この国には「職人風情が」という言葉が生きているのである。
僕ですら、職人の世界の集いに出席して、「職人と言わないで下さい、政府に認められた技能士ですから」と念を押されたことがある。
だから前場さんではなく「棟梁!」と呼びたいのである。
棟梁が「職人の心意気を伝えたい」との気持ちの溢れた一冊として、拍手!



講師: 前場幸治(前場工務店会長、大工道具資料館館主)

定   員: 40名
参 加 費: 会員1000円(学生無料),非会員1500円(学生非会員500円)(当日会場にて受け付けます)
申込み方法: 「イブニングセミナー(第95回)申込み」と題記し,(1)会員資格(会員番号),(2)氏名,(3)勤務先・所属,(4)連絡先(郵便番号・住所・電話番号・E-mailアドレス)を明記の上,E-mailまたはFAXにて下記までお申し込みください.
なお,当日会場でも申込みを受付けます.
FAX送付先: (03)5360-3508(担当職員 加藤佐知子)E-mail:kato@jsme.or.jp
次回予定: 6月27日(水)18.00〜20.00 「環境教育を考える」講師:峯岸律子(技術士 (株)セルコ)
問合せ先: 〒150-8677 東京都渋谷区恵比寿2-27-10 日機装第2別館
日機装(株)流体技術カンパニー
 小西義昭
TEL:03-3443-3728  FAX:03-3444-2403
E-mail:y.konishi@nikkiso.co.jp


東京都立航空高専
 吉田喜一
TEL:03-3801-0146 ex.544
E-mail:kyoshida@kouku-k.ac.jp

行事一覧へ

部門トップページへ