イブニングセミナー(第58回)

(技術と社会部門企画)


開 催 日: 2004年1月28日(水)18:00〜20:00 (毎月最終水曜日開催予定)
会   場: 早稲田大学理工学部(大久保キャンバス)55号館S棟2階第3会議室
[東京都新宿区大久保 3-4-1/電話(03)5286-3000/JR「高田馬場」駅戸山口下車 徒歩12分,都バス「都立 障害者センター」下車徒歩1分,地下鉄東西線「高田馬場」駅下車徒歩12分] →大久保キャンパスの地図(早稲田大学のホームページ)
趣   旨:  技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も社会との深い関わりの中にあることは明らかである.我々が新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.
テーマ
および講師:

テーマ「人工心臓の動きを視る」

 産業技術総合研究所では体内埋込み型人工心臓をめざして,羽根車の一端を永久磁石の磁気軸受で,他端をピボット軸受で接触支持する,一点支持型遠心ポンプ(モノピボット磁気支持機構)の開発を行ってきた.本システムでは,唯一の機械的接触点であるピボットの溶血特性と抗血栓性が課題であった.
 溶血特性については,溶血試験によりピボット接触面積を低減することで、手術用遠心ポンプより血球破壊が少なくなることを確認した.
 抗血栓性については,可視化実験と動物実験で評価してきた.開発ポンプの拡大相似模型に屈折率を合わせた溶液と等比重の粒子を入れ,連続光レーザシートで照明して可視化し,高速ビデオで収録した画像を粒子追跡法で自動解析した.相対よどみ領域を血小板付着ないし血液凝固の発生部位と見なして,可視化による発生箇所の特定と除去を試みた.インペラ裏面の2次流れを可視化することにより,ホール径を最適化し,血栓の生じやすい低剪断域を除去した.これらの血液ポンプの抗血栓性を確かめるため,ヒツジによる約1週間の動物実験を,ポンプ外付け左心バイパス形態で反復実施した.その結果,ホール中央集中型で,ホール径を上記最適形状とすることで,ほぼすべての血栓を解消できることを確認した.


講師:山根隆志(産業技術総合研究所 人間福祉医工学研究部門 副部門長)

定   員: 40名
参 加 費: 会員1000円(学生員無料),非会員1500円(学生非会員500円)(当日会場にて受け付けます)
申込み方法:「イブニングセミナー(第58回)申込み」と題記し,(1)会員資格(会員番号),(2)氏名,(3)勤務先・所属,(4)連絡先(郵便番号・住所・電話番号・E-mailアドレス)を明記の上,E-mailまたはFAXにて下記までお申し込みください.
なお,当日会場でも申込みを受付けます.
FAX送付先: (03)5360-3508(担当職員 加藤佐知子)E-mail:kato@jsme.or.jp
問合せ先: TEL:042-392-6610(日機装(株)流体技術カンパニー 小西義昭
E-mail:y.konishi@nikkiso.co.jp

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