イブニングセミナー(第134回)

(技術と社会部門企画)


開 催 日: 2010年12月22日(水)18.00〜20.00
会   場: 早稲田大学理工学部(大久保キャンパス) 55N号館1階第2会議室
東京都新宿区大久保3-4-1/電話(03)5286-3000
地下鉄副都心線「西早稲田」駅(早稲田大学構内に出口)0分、JR「高田馬場」駅戸山口下車徒歩12分,
早稲田大学キャンパス案内図(http://www.waseda.jp/jp/campus/okubo.html)

趣   旨:

 技術はいま,資源,環境問題をはじめ,巨大化とブラックボックス化による人間疎外の傾向に関して多くの批判にさらされている.技術が受け入れられて発展するのも,拒絶され衰微するのも,また技術者の社会的地位のあり方も社会との深い関わりの中にあることは明らかである.我々が新しい時代を担う責任ある技術者であろうとするならば,人間についての深い洞察を持つとともに,社会の動きを正しく見極めなければならない.技術と人間,技術と社会の関わりについて現状を理解し,将来を展望することを目的とする.

テーマ
および講師:

「広島原爆後の「黒い雨」はどこまで降ったか ―「黒い雨」を追って半生― 」

 私は気象研究所を退職した翌年の1985年6月、『核の冬―核戦争と異常気象』を上梓し、その直後の8月、原水爆禁止世界大会に参加した。全面核戦争による「核の冬」が大問題になっていた時で、核兵器廃絶運動は大きく前進したが、その反面、「核の冬」を起こさない小型の核兵器を容認する動きが出ていた。

 そこで私は広島や長崎に投下された小型の原爆でも大変な被害をもたらす上に、環境も壊すとして、宇田道隆氏らが調査した広島原爆の後の「黒い雨」の話をした。
 すると、広島の被爆者の方が、「宇田氏らの調査には迷惑している」という発言をされた。驚いて「それはどういう意味ですか」と尋ねると、「あなたは気象学者でしょう。『黒い雨』のような激しい雨があんな卵形の領域にきれいにまとまって降ると思いますか」といわれた。私は頭を殴られたような衝撃を受け、宇田氏らの「雨域」を鵜呑みにしていた自分を恥じ、「私の責任で調査しましょう」と、再調査を約束した。これが、私が「黒い雨」を再調査したキッカケで、調査の結果、宇田雨域の4倍も広く、しかも、卵形とは似てもにつかない複雑な雨域を発表した。

 戦後40年も経っている中で、どのようにして調査をしたか、その調査結果が、原爆症認定裁判にどう貢献したか、などについて述べる。

講師: 増田 善信(もと気象研究所研究室長)


参 加 費: 会員1000円(学生無料),非会員1500円(学生非会員500円)
(当日会場にて受け付けます)
申込み方法: 「No. 00-00イブニングセミナー(第134回)申し込み」と題記し,
(1)会員資格(会員番号),(2)氏名,(3)勤務先・所属,(4)連絡先(郵便番号・住所・電話番号・E-mailアドレス)を明記の上,E-mailまたはFAXにて下記までお申し込みください.
なお,当日会場でも申込みを受付けます.
申込先

日本機械学会(担当職員 井上 理)E-mail:inoue@jsme.or.jp ,FAX. 03-5360-3508

<懇親会> 高田馬場駅前の土風炉(とふろ)にて、講師を囲んで懇親会を行います。
(会費\3,000程度)
問合せ先:

(株)日機装技術研究所/小西義昭/tel.:042-392-3087? E-mail: y.konishi@nikkiso.co.jp
都立産業技術高専/吉田喜一/tel.:03-3801-0146 ex.544 E-mail:kyoshida@acp.metro-cit.ac.jp

次回予定:

2011年1月26日(水)18.00〜20.00
仮題「訪問リハビリ」仙洞田洋登(潟Eィズケアメディカル 取締役)


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