部門長挨拶



第90期部門長

星 朗


  2012年度(第90期)部門長を務めさせて頂きます一関高専の星 朗です.

  副部門長の池森寛先生(西日本工業大学),幹事の佐々木直栄先生(日本大学)と一緒に今期の部門運営を行って参りますので,御指導賜りますよう宜しくお願い申し上げます.

  東日本大震災の後,私ごとで恐縮ですが,総務省「緑の分権改革」推進協議会などを通じまして岩手県釜石市をはじめとする被災地における地域コミュニティの再生と災害に強く環境に配慮したまちづくりの実現に関わって参りましたが,今もなお厳しい生活が続いている現状を見るたびに涙がこぼれます.

  「発明の価値は社会に役立てる有用性にある.」というエジソンの言葉がありますが,まさに被災地では今すぐに役に立つ技術が求められています.

  この点からも,機械工学を基礎とする「技術」と我々が生きている「社会」との懸け橋となる活動を目的とする当部門の意義と役割が重要となって参ります.

  そのような折,東北地方に在住しております私が部門長となりましたのも何かの御縁と思いまして,微力ではありますが尽力していく所存でおります.

  部門活動は,本年度も「広報委員会」「表彰委員会」「ロードマップ委員会」「機械遺産委員会」の4つの専門委員会,「人機能支援の工学研究会」「ブルネル・スピリット研究会」「スターリングエンジンを活用した工学教育研究会」「技術教育・工学教育研究会」「エンジニアリングリスク研究会」の5つの研究会でスタートさせ,これまでどおり積極的な取り組みを展開して戴きますとともに,新しい研究会の立ち上げも検討していきたいと思っております.

  部門活動の柱の一つに,年1回開催しております「部門講演会」があります.前年度の琉球大学での開催に続いて,本年度は秋田高専での開催を計画しており,地方組織の活性化に努めて参ります.

  また,2年に1回の開催を続けて参りました「国際会議ICBTT」も今年度が開催年にあたり,第6回となる会議を英国リバプール大学で開催する準備が進められております.

  本年度,金沢大学で開催されます「年次大会」におきましても,技術教育および技術史を中心とするセッションを企画しているほか,機械遺産のパネル展示や市民向け行事などによる社会への発信も計画されております.

  部門の目玉でもある企画「イブニングセミナー」の開催は本年度中に通算150回を超えます.
  明治大学理工学部駿河台キャンパスを会場に,会員のみならず会員外の方への情報発信の場として,さらに開催回数の記録を伸ばしていきたいと存じますので,宜しくお願い申し上げます.

  また,部門の登録メンバーが協力して2008年より始められた「新☆エネルギーコンテスト」は,前年度の岩手大学での開催から部門主催の行事となり,本年度も部門の企画として日本大学で開催が予定されております.
  このコンテストは,大学・高専の学生を対象とするエネルギー利用に関する今までにないコンテストですが,本年度は応募資格の制限を無くした“オープン参加”部門を設けることにより,学生から一般社会人まで分野を超えた交流ができるものと期待しております.

  今のところ,新たな事業をスタートさせる予定はありませんが,この部門の素晴らしい遺産に傷を付けることの無いよう,本年度に計画されている活動を滞りなく実施していきたいと思っております.

  当部門に登録されております皆様の御支援と御指導を心よりお願い申し上げます.



(一関工業高等専門学校 機械工学科 教授 星 朗)

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