部門長挨拶
第88期部門長
黒田 孝春
この度,小野寺前部門長から引き継ぎ,部門長を仰せつかりました木更津高専の黒田孝春です.副部門長の緒方先生と幹事の加藤先生とともに第88期の部門運営を行ってまいりますので,よろしくお願い申し上げます.
1990年のバブル崩壊に端を発した経済不況は「失われた10年」と呼ばれる時期を経て後立直りかけた2001年の同時多発テロ後のIT不況やリーマンショックなど,外需依存の日本では20年経過した現在でも元気な姿を取り戻せないでいます.
新首相となった菅直人氏の所信表明演説(6/11)では,中長期的な新成長戦略として,「グリーンイノベーション」と「ライフイノベーション」による科学・技術と雇用・人材に関する活性化が熱く語られました.これらの産業の発展は科学技術の分野に留まらず人文社会分野など様々な分野を網羅する施策ですが,その根幹には機械工学を含めた技術開発が大きく関わっています.
本部門の規模は,日本機械学会にある20部門の中でも小さな部門のひとつですが,部門の名が示すとおり「機械工学」と「社会」とのインターフェース役としての部門の意義と役割は重大であります.
部門の活動の三本柱はご承知のとおり,(1)技術・工学の歴史を研究する分野, (2) 技術者倫理や知的所有権のあり方を研究する分野, (3)技術者の人材育成や技術者教育と社会との関わりやあり方などを研究する分野です.これまで,部門の主な活動の一つであるイブニングセミナー(毎月最終水曜日の夕方に早稲田大学理工学部で開催)は87期で125回目を迎えることとなり,社会との接点の特徴的な行事となっていますし,今期も継続して実施を予定しておりますので,宜しくお願い致します.また,各分野の研究発表の場としての講演会は,9月の名工大での年次大会は,着々と準備が進んでいる状況ですが,部門講演会については,様々な選択肢を検討している状況ですが,本日の新旧運営委員会の場で骨子についてまとめさせて頂きたいので,宜しくお願い致します.
2年に一度の国際会議のICBTT2010は12月2日〜4日にイギリスのLiverpoolで開催が予定されています.今回は,綿貫実行委員長のご努力によりまして,これまで以上のネイティブスピーカーの参加者が見込まれますし,充実した見学会も計画していますので,皆様の参加を心よりお待ち申し上げます.なお,論文投稿等の情報は部門のWEB(http://vrt.mech.saitama-u.ac.jp/icbtt2010/)をご参照ください.
さらに,昨年度より部門の活性化として,交通・物流部門との部門連携を始めましたが,今期も連携活動を継続させていただきたいと思っています.具体的な連携活動については,運営委員会の議題としてご協議させていただきます.
特に,会員皆様の研究活動の促進と研究内容が講演会等の発表によりアクティブに反映することを目的として,これまでの委員会中心の部門運営から研究会を中心とした運営に移行することになりました.6月現在,「ブルネル・スピリット研究会」と「スターリングエンジンを活用した工学教育研究会」の2つの研究会が発足済みですが,今後,様々な研究会の発足が準備されていますので,会員の皆様の積極的なご参加を期待しております.
以上,88期も多くの部門活動を予定していますが,我々はこれらの全ての活動を精一杯実行し成功できればと願っています.今後も部門登録されている皆様のご協力と部門登録数増強へのご支援を是非ともお願い申し上げます.
(木更津高専・副校長 教授 黒田孝春)
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