部門長挨拶

第84期部門長

村田 良美


 このたび,渡邊辰郎前部門長(東京大学)の後を引き継ぎ,技術と社会部門第84期部門長を仰せつかりました.小西義昭副部門長(日機装),川森重弘幹事(玉川大学)をはじめ総務委員,運営委員など多くの皆様のご協力を得ながら,部門の発展と部門登録者をはじめとする会員の皆様へ有益な情報とサービスを提供するよう努力してまいりますのでよろしくお願い申し上げます.
 当部門は,1991年に設立されてから今年で16年目になります.従来から言われておりますように,当部門は機械学会の20部門の中でもきわめて特殊な位置づけと役割を担っております.すなわち他の部門が,拠って立つはっきりした学問分野,技術分野を有するのに対し,当部門ではそれらを有しないこと,また当部門では,理工系学問・技術分野のみならず文科系学問分野を含めたより大きな枠組みの中で様々な横断的な取り組みができる自由度があることです.しかしながらこの特徴は一方では部門の存在理由が明確でなく,活動指針を立てにくいことにもつながります.幸い木内学第73,74期部門長の時に,部門の活動指針が立てられ,組織構成がなされました.現在の部門組織もそのときのものをベースとしております.その体制の中で,現在の部門の柱である技術教育・工学教育,技術史・工学史あるいは技術者倫理,法工学などの体制ができました.技術教育については前年度年次大会における部門横断WS,今年度年次大会における特別テーマWSなど,技術史については学会100周年,110周年記念事業に伴う機械遺産の認定などの重要な仕事も当部門を中心としてなされております.さらに技術者倫理,法工学については当部門より独立した組織が誕生するなど,研究組織のインキュベータとしての役割も果たしてまいりました.また国際的展開としては,国際会議ICBTT(International Conference on Business and Techonology Transfer)を2002年より2年ごとに開催してまいりました.今年も12月10日に東京で開催する予定です.従来からの懸案事項であった機械学会論文集への部門の査読つき論文の掲載についても,来年教育の機械学会論文集特集号が発行される予定です.このように当部門は着実に前進を続けております.今後も他部門では取り組みの難しい横断的分野での新たな研究組織を積極的に構築していき,部門の独自性を活かしていきたいと思います.
 今年は部門評価の年に当たり,過去5年間の部門活動について様々な観点よりチェックがなされます.これをひとつの機会として,部門組織および活動についても見直しを図っていこうと考えております.部門登録されている皆様には当部門の更なる発展にご協力いただければ幸いです.



(明治大学 村田 良美)

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