2001年度部門賞および部門一般表彰報告 | ||||
技術と社会部門では,部門に関連する研究と活動の進展を促進するために, 部門賞および部門一般表彰を設けています.2002年度の部門賞および部門一般表彰につきましては,会員の皆様からの推薦をもとに,第80期表彰委員会[委員長:吉田喜一 (東京都立航空工業高等専門学校)]で審議・選考され,本年4月の部門運営委員会において決定されました.受賞者,表彰者は以下の方々です. (アグネ技術センター 権上かおる) |
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今井兼一郎氏は学会会長等の要職を歴任されており,本部門の賞を贈呈するには僭越であるが,敢えて贈呈するのは,最近話題になっている「技術者教育認定制度」について,現在の状況になる20年以上も前からこの問題について日本機械学会等の学会関係および経団連等の団体に対しても警鐘を鳴らし,その見識を多くの方々に伝えるべく啓蒙活動に携わられた.最近になって「技術者教育認定制度」がにわかに脚光を浴びるようになり,多くの専門家が議論に加わり,本制度も本格化してきた.この問題を早期に発議した今井氏の功績は多大なものである.
柴田俊忍氏は,京都大学在職中の1999年11月,当部門が企画した初の「公開研究会・講演会・見学会」を京都大学に誘致して開催した.3日間にわたる部門初の行事は大成功で,この後の翌2000年度(玉川大学),2001年度(大分工業高等専門学校),そして2002年度は再び京都大学でこれも部門初の国際会議であった「The
1st Conference on Business and Technolgy Transfer (経営と技術移転に関する国際会議)」とジョイントして開催するなど,当行事は順調に発展・継続されている.こうした一連の行事開催の発展はひとえに初回開催における柴田氏の企画・運営に対する熱意と尽力の賜物であり,部門への業績が多大なものである. |
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城下荘平氏は,京都大学総合博物館に展示される機械機構模型の歴史や,導入にかかる教育面での背景等に関する一連の調査研究成果を,日本機械学会の講演会で毎年発表してきた.さらに調査研究のために国内に留まらず欧米諸国にも出向き,先方の研究者たちと意見交換し,その成果を盛り込んでいる.当部門を構成する専門分野の大きな柱のひとつである「機械技術史・工学史」ならびに「技術教育」の両面から見ても,城下氏の一連の研究成果は当部門の研究活動面での充実と発展に大きく寄与するものである. |