部門の概要
活動方針
交通・物流部門は,人と物の移動に関わる,深海から宇宙まで,そして大空間から建造物の中まで,陸海空のすべての機械システムを研究の対象とし,これらの多様な形態にあわせ,多くの輸送手段を網羅する応用問題に取り組むことができる,国内では他に例のない学会組織である.自動車や航空宇宙,船舶などには,それぞれの専門学会が存在することから,当部門では,これら個々の専門学会では困難な活動,すなわち,異なる分野の交流による,知見の増大やアイデアの創出など,交通・物流全体を扱う部門ならではのメリットを活かした活動に取り組んでいる.
部門の運営に関しては,運営委員会(運営方針の決定,講習会・講演会・特別講演会・諸行事の企画運営を行う)のもとに各委員会,研究会を設けている.
詳細はこちら: <部門組織> <研究会・分科会>
各技術委員会(各分野の動向把握,企画運営,講演会,講習会,見学会などの企画運営)を特徴づけるキーワードを,交通・物流部門共通のキーワードとともに以下に挙げる.なお,複数の技術委員会でキーワードとなっているもの(部門共通含む)を色付けして示す.
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- ○交通・物流部門共通:
ダイナミクス・制御,振動,乗り心地,騒音,快適性,センシング,安定性,安全性,信頼性,人間工学,HMI,AI,ビッグデータ,MaaS,省エネルギー,カーボンニュートラル,環境負荷低減
- ○自動車技術委員会:
自動車,大型車,二輪車,パーソナルモビリティ,自動運転,運転支援システム,予防安全技術,運動特性,サスペンション,ブレーキ,タイヤ・路面(摩擦)特性,運転特性,操縦モデル,生体計測,ドライブレコーダ,事故分析,電動車(電気自動車,燃料電池自動車)
- ○鉄道技術委員会:
鉄道車両,磁気浮上式鉄道,AGT(自動案内軌条式旅客輸送システム),燃料電池車両,蓄電池車両,車両と軌道の相互作用(だ行動防止,脱線防止,空転・滑走防止など),サスペンション,集電(架線・パンタグラフ),トンネル微気圧,メンテナンス・状態監視,軽量化技術,運行管理,付加価値創出(リゾート列車,移動オフィスなど),自動運転技術,ホームドア
- ○航空宇宙技術委員会:
航空機,飛行機,ヘリコプタ,グライダー,ドローン,超音速機,極超音速機,宇宙往還機,飛行艇,ロケット,モーフィング翼,フラッタ、管制,航法,コックピット,操縦システム(フライバイライト),宇宙ステーション,代替燃料
- ○船舶技術委員会:
船舶・海洋,海上輸送システム,海洋開発技術,船酔い,船員負荷低減,自動運航船,自動離着桟システム,自動避航操船システム,ゼロエミッション船,代替燃料,深海探査,旅客安全,ユーザビリティ
- ○昇降機・遊戯施設技術委員会:
エレベータ,エスカレータ,遊戯施設,感性,アクセシビリティ(ユニバーサルデザイン・バリアフリー),故障診断,メンテナンス・復旧,地震・災害等緊急時の救出・避難・利用,省スペース,環境対策(LCA),モダニゼーション・リニューアル,運行管理
活動状況
本部門の主たる活動状況は以下のとおりである.
- ❶学術への貢献
自動車,鉄道,航空宇宙,船舶,昇降機・遊戯施設など様々な学術・技術分野の研究者,技術者が一堂に集い,普段の活動では困難な幅広い学術交流を図ることを目的とし,年に1回部門大会TRANSLOGを開催.
多様な学術分野の垣根を超えた交流や産学共同研究等による工業振興への貢献を目的として研究会を立ち上げ,年数回の研究会,技術研修会を開催.
- ❷産業界への貢献
技術者の育成を図るために,セミナー,講習会を開催.
9月と3月の年2回ニュースレターを発行し,部門を構成する自動車,鉄道,航空宇宙,船舶,昇降機・遊戯施設分野の最新トピックス,夢・乗り物アイデアコンテストといった交通・物流部門独自イベントなどを広くお伝えする.
- ❸部門間交流
部門大会TRANSLOGにおいて,基礎理論から適用例まで幅広い研究発表を網羅し,活発な議論を期待して他部門との合同セッションを企画.
他部門大会や講演会,年次大会において,共通する技術や連携すべき運用環境がある分野に関する合同のセッションを提案.
- ❹国際連携
定期的に開催される鉄道技術国際シンポジウムSTECHに関して,積極的に論文投稿・発表を慫慂するとともに,日本開催の際には事務局としてシンポジウムを運営する.
- ❺他学会との連携
鉄道技術連合シンポジウムJ-RAILを,電気学会,土木学会と共催する.3年に一度は日本機械学会が主催となり,当部門が主体となってシンポジウムを運営する.
日本航空宇宙学会(JSASS)にも会員資格を持つ方が多く,JSASS主催の4種の講演会へ参加する.