人生で一番焦った話
秋田県立大学大学院 システム科学技術研究科 総合システム工学専攻
松本 拓真
あれは大学四年の夏休み中のことです。私は現在秋田県に住んでいますが、夏休みに実家がある石川県に帰省する時は、毎年車を運転して帰っています。理由は単純で、一番安く帰ることが出来るからです。その年も何事もなく帰省しました。まだこの時はあんなことが起こるなんて思っていませんでしたが。
帰省した翌日、私が車を出し地元の友達とドライブをする約束をしていました。ドライブの目的地は、石川県の最北端である禄剛埼灯台で、車で2時間ほどかかる場所です。ようやく着いて車を駐車しようとしたその時、ポンッと車外から破裂音のような音が聞こえ、それと同時にハンドルが少し重たく感じました。この時は小石か何かを踏んだのだろうとあまり気にせず灯台へ向かい日本海の景色を見て楽しんでいました。一通り景色を楽しんだ後車へ戻りました。そして車を見たときにある異変に気が付きました。そう、前輪のタイヤが完全につぶれていることに。私は人生で初めてタイヤのパンクを経験しました。もし前日の高速道路を走っている時にパンクしていたらと考えるとある意味いいタイミングでパンクしたなと思います。幸いにもパンクしたタイヤは一本だけだったので、とりあえずタイヤ修理材で応急措置をしようとしましたが、今度は修理材の使用期限が過ぎていて使えませんでした。悪いことは立て続きに起こるものなんですね。結局その後、何だかんだ車はレッカーしてもらえました。
この経験で、人はトラブルにあったとしても、なんとかその場を切り向ける力が備わっているなと思いました。それと、有事の際の備えはあるから大丈夫ではなく、使える状態であるかまで確認することが大切だと身をもって経験した、そんなお話でした。
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