研究紹介
八戸工業大学 工学部 機械工学科 4年
佐藤 恵
当研究室では、排熱を利用し、省エネルギーを促進する研究を進めている。
カーボンニュートラルでは徹底した省エネが必要であり、未利用熱の活用が課題である。未利用熱の76%は200℃以下であり、その有効活用が重要である。200℃以下の熱の一部は、冬季限定の暖房用として使われている。そこで空調用として使われていた吸収冷凍機に着目した。吸収冷凍機は200℃未満の熱源で冷熱を製造できる装置であり空調用冷房の冷水を製造することができる。冷水からさらに温度を下げ、氷を製造することができれば未利用熱の拡大につながる。従来の吸収冷凍機では作動媒体が臭化リチウム水溶液であり、冷熱を得る媒体が水になるため、氷点下冷熱を製造することができない。そこで、凝固点硬化させる1-プロパノールを混合させ氷点下冷熱を製造する。また吸収冷凍機を多段式にし、前段で冷水を製造し、前段で製造した冷水を利用し後段の吸収冷凍機で氷点下冷熱を製造する。当研究室では、未利用熱から氷点下冷熱を製造する吸収冷凍機の開発を行っている。
個人研究としては、本学の氷点下冷熱を製造する吸収冷凍機と東京電機大学所有、高砂熱学製の氷スラリー製造装置(製氷機)を組み合わせたシステム開発を行っている。工場から出る未利用熱を熱交換器で熱交換し、温水を製造する。この温水を利用し前段の吸収式冷凍機で冷水を製造する。前段の冷水と温水を利用し後段の吸収式冷凍機で氷点下冷熱を製造する。後段の氷点下冷熱を利用し、氷スラリー製造装置で氷スラリーを製造するシステムである。個人研究の目標は3つの蓄熱層を設け、温水、冷水、氷スラリーの3つを自由に取り出せるシステムを開発したいと考えている。
|