「読書が好きな人=読書感想文が得意な人」という理論は成り立ちません
日本大学 工学部 機械工学科 4年
前田裕教
電子コンパスの執筆依頼を頂いた時,内容について少しばかり考えた後,私の大好きな読書について書こうと思ったので,ここでは本に関する話ができればと思います.
私は小学校低学年の頃から本を読むことが好きで,それは大学4年になった今でも変わっていません.特に大学3年の2月あたりから読書欲が爆発してしまい,春休みにはかなりの数の本を読みました.読むジャンルは主にミステリーが多いです.ミステリーと言っても探偵が登場する事件モノ,冒険要素ありのファンタジーモノ,医療モノ,学園モノなど様々な分野の作品を読みます.
読了後には,感想や場面展開における考察などを他者と共有できればよいのですが,残念なことに私の周りの友人たちの中に読書を好む人はあまりいません.
「小説が大好きなんだ!」というと,
「漫画でいいじゃん」「漫画の方がいい」と言われることが多いです.
絵による場面描写がない小説は,自分の頭の中のイメージによって風景を描くことができ,登場人物たちを自分好みの見た目に勝手に変えることもできます.既にあるストーリーを読んでいるはずなのに,自分で新たなストーリーを作っている感覚が私は大好きです.今後,どんなに忙しくなったとしても読書はやめられそうにありません.
私は小学校や中学校の長期休暇中に課される読書感想文に苦手意識を持っています.なぜなら「本を読んだ感想を書いてくる宿題です」などと言っておきながら,担任の先生があれこれとケチを付けてくることがあるからです.私は,同じ本を読んでいたとしても,人それぞれ違う感想があってもよいのではと考えてしまいます.そのため,読書感想文を宿題として出すのなら,感想を評価するのではなく,この課題を他のクラスメイトが読んだ本に触れ合う機会としてもよいのではないでしょうか.
ここまで読んで頂いてありがとうございます.最後になりますが,ここで過去に私が読んで是非他の方にも読むことをお勧めしたいと感じた本たちを6冊に絞って紹介し,これをエピローグとさせて頂きます.
・「スフィアの死天使 天久鷹央の事件カルテ」,知念実希人著,新潮文庫,2015年
・「硝子の塔の殺人」,知念実希人著,実業之日本社,2021年
・「十角館の殺人<新装改訂版>」,綾辻行人著,講談社文庫,2007年
・「赤と青とエスキース」,青山美智子著,PHP研究所,2021年
・「明日、君が死ぬことを僕だけが知っていた」,加賀美真也著,スターツ出版文庫,2021年
・「マスカレード・ホテル」,東野圭吾著,集英社文庫,2014年
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