目次へ戻る   

母校が消えるようなもの

東北学院大学大学院 工学研究科 機械工学専攻 博士前期課程2年
小原田聖和

 「2023年4月、仙台都心部・五橋地区に新キャンパス(五橋キャンパス)が誕生!」
 現在東北学院大学は、土樋、泉、多賀城の3か所にキャンパスが分散しています。そのうち泉、多賀城キャンパスを仙台市中心部に集約、五橋と土樋が一体となりアーバン(都市型)キャンパスを形成します。それに伴い、多賀城キャンパスは完全閉鎖します。

 私の学んできた工学部は多賀城キャンパスにあります。言い換えると、多賀城には工学部しかない。仙台から車でも電車でも30分かかる多賀城キャンパスは、仙台方面から通う大多数の学生から不便さを指摘され、他学部との、サークル活動などでの交流の希薄さを嘆く学生の数はおびただしいものとなっていました。(書いてて思いましたが、私の周りにそういうヤツが多かっただけ?)

 どの大学でも、自分の所属する学部やキャンパスを自虐的にネタにするのはよくあることだと思いますが、私が聞いた中で一番好きな蔑称が「学院のアズカバン」。工学部生を何だと思っているのでしょうか。

 しかし、不満をたまには口にしながらも過ごした6年間の大学生活は、まぎれもなく多賀城キャンパスの学び舎でつくった思い出です。私にとってこの移転は、母校が消えるようなものです。

 話は変わりますが、最近スマートウォッチを購入しました。その機能の1つとして、座りっぱなしを防ぐために、1時間に1回、スタンディングの通知が来るようになっています。研究も終盤に差し掛かり、座ってPCと向き合う時間が多くなってきた私にとって、一番重宝してる機能といってよいと思います。通知が来たら、天気がよい日などは、スマホのカメラでキャンパス内を写しながら散歩をしてます。少し前まで、紅葉が綺麗でした。

 これから冬がきます。多賀城キャンパスの最後の雪化粧を、少しでも多く私のスマホのなかに残したいと思っています。決して、修論からの逃避行動などではありません。







目次へ戻る