目次へ戻る   

鳥飼研で得た宝

弘前大学大学院 理工学研究科 理工学専攻 機械科学コース 2年
三上日菜子

 「三上さんって一匹狼だよね」
 これは、私が研究室に配属されたばかりの時に、先生や先輩から言われた言葉である。
 その当時、女子が自分1人だけということもあったが、実はあまり関係なく性格上1人で行動していた。(研究は真面目にやっていた。)

 翌年、一匹狼を指摘されたこともあって、学生居室になるべく滞在するようにした。
 結果として、自分の研究が捗り、これまでにない経験を得ることができた。
 なぜなら、私の所属する鳥飼研究室には個性的な学生が揃っていたからだ。
 その個性の塊が、殻に閉じこもっていた私を成長させた。
 週6でジムに行く先輩のおかげで、何かストイックに始めてみようと思えた。
 ツンデレの先輩のおかげで、ちょっと扱いにくい上司の対応方法を覚えた。
 趣味に全力を注ぐ同期のおかげで、自分が無趣味の空っぽ人間であることを知った。
 優秀で謙虚な後輩のおかげで、自分が大学院で楽しく消火の実験をできるのは、周囲の人のおかげだと感謝しなくてはいけないと思えた。
 なんで?なんで?と研究指導をしてくれる鳥飼先生のおかげで、
 日常的になんで?と思うようになった。

 このように、研究室の学生や先生とよりコミュニケーションをするようになってから、新しい価値観を得られたり、これまでの常識が覆ったりした。それが楽しくて、もっと対話したいと思うようになった。
 そして、研究に迷った時、積極的に相談できるようになった。
 また、自分のやりたいことに対してアドバイスしてくれて、自由に研究をやらせてくれる先生のおかげで、実験がより楽しくなり、研究の進みが前年度よりはやくなった。

 1人で行動した方が、早く仕事が終わるし捗ると思っていたが、これらの経験を得て、全く違うことに気づけた。
 人と繋がりコミュニケーションをとることが自分の成長に繋がるという、よくあるスローガンの大切さを、この鳥飼研究室で改めて考え直すことができた。
 もう一匹狼は卒業しようと思う。

 鳥飼研究室で得た経験は、私の人生の宝である。







目次へ戻る