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研究活動を通して

福島大学 理工学群 共生システム理工学類 4年
佐藤麟太郎

 私は去年の10月から材料システム評価研究室に所属し,ちょうど1年がたった.今年4月からは「微小中空球状ガラス質材を用いたコア材とCFRTP表面材を用いたハイブリッド複合材料の衝撃特性」という題目で研究活動を進めており,研究活動を行う現時点で苦労したこと,学んだことについて述べていきたい.

 私の研究は研究室で開発された,シラスバルーンと呼ばれる微小中空球状のガラス質材をフィラーとし,エポキシ樹脂をマトリックスとした複合材料(以下SB/E)をコア材として,表面材に炭素繊維強化プラスチックシートを用いたハイブリッド複合材料システムをもとに行っている.コア材であるSB/Eが材料成形の段階においてボイドが発生し,成形が困難となる事態が前年から発生していた.私の研究テーマはCFRTP表面材時の衝撃特性であるが,SB/E作成方法の改良から始まった.初めに使用するエポキシ樹脂や硬化剤の特徴や,作製方法の根拠など様々な先行文献をもとに,把握するところから始めた.樹脂に関しては勉強したことがなく,初めからだったため大変苦労した.また本研究室に今年度は大学院の先輩がおらず,相談や質問ができないことも苦労した要因であると思う.作製方法について,原因と思われることを片っ端から改良をし続けたが,多少改善には向かうもコア材として使用するのにはまだ改善が必要だった.時期的にも研究テーマの方に進みたかったが,材料成形がうまくいかないと進むことが出来ないため,焦りを感じていた.そんな中で,今までの作製物から成功に近いものの共通点を探し,また先生に相談をすることで作製方法の改良を続けた.そうすることでついにSB/Eの成形が成功し,作成方法を完璧に改良することが出来た.
 この作製方法の改良する中で学んだことは,2つある.1つは研究を行う中で,物事の根拠を把握することの重要性である.1つ1つに意味があり,それを十分に理解していないと問題が起きた時や,新しいことを行うときに行動に移すことができない.2つ目は自分の中でだけで解決しようとするのではなく,相談することの重要性である.自分の中にある情報や知識には限りがあるので,それに長けている人に頼ることで研究を進めることができると感じた.

 現時点では研究はまだ半ばであり,今後は学んだことを活かして研究を進める中で,苦労や,新たに学ぶことも出てくるだろう.卒業まで最後の数か月,気を抜かずに研究を進めて,大学生活を悔いの残らないように大切に過ごしたいと思う.そして来るべき社会人になったときにこの経験を忘れず,情熱と熱意をもって仕事に取り組んでいきたい.







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