研究室での活動を通じて
鶴岡工業高等専門学校 専攻科 生産システム工学専攻 機械・制御コース 2年
佐藤 出
私が所属する研究室では研究活動だけではなく,本科生と専攻科生が共同のプロジェクト活動を行っている.これらの活動を通じて,自分を大きく成長させることができた.ここでは,研究活動とプロジェクト活動について話そうと思う.
研究活動では,主にゲルというソフトマテリアルを用いた研究を行っている.高分子や有機材料を扱うので化学的な要素が強く,機械コースでは学ばなかったことが多いので理解するのに結構苦労している.また,普段の勉強とは違い,答えがある問題を扱うのではなく,答えがない問題を扱うというところが研究の特徴であると実感している.これまでの学校生活では,あらかじめ決められたことを勉強して,分野の知識を深めたり,製図や実習で技術力を高めたりと受動的なことが多かったが,研究活動では能動的に活動することが求められる.研究を始めた時は,課題に対してのアプローチ方法を考えたり,どんな実験をすれば良いか考えたりするのがうまくできず,研究が進まなかったが,文献を調査したり,指導教員と相談したりしてわからないことを潰していくことで,少しずつ進めることができた.研究活動を通じて,自ら計画して課題を考え,実験して,結果の考察をするという過程を学ぶことで,計画力や発想力,考察力,創造力を身に付けることができ,少しではあるが自分に不足している部分を補うことができたと思う.
プロジェクト活動では,企業からお借りしたロボットアームを用いて社会の課題を解決することを目的とした活動を行っている.新型コロナウイルスの影響で各地の祭りが中止になった背景から,テーマは祭りの自動化に決定し,祭りの屋台にある「わたあめ」と「焼き鳥」をロボットに作らせることを目標に,フローチャートを考え,プログラミングや治具の作製を行った.本科生は主にプログラムや治具の作製,専攻科生は主に,プログラミングの指導やスケジューリング管理などのサポートを行った.本科生に指導する立場として,プログラムの書き方は理解する必要があるため,プログラミング言語についても勉強した.これにより,本科生への指導が効率的にできただけでなく,自身のプログラミング言語に対する理解を深めることができた.また,本科では他学年との関わりがほとんどなかったため,研究室の後輩が来るときもうまく接することができるか不安だったが,この活動で本科生と交流する機会が増え,研究でも相談に乗ったりとできている.プロジェクト活動を通じて,他者と協力して物事を行うチーム力や,先輩後輩の上下関係,スケジューリング管理能力などの社会人に求められる基礎能力を培うことができた.
研究室での活動を通じて,多くのことを学ぶことができた.このようなことを学生のうちに経験できて本当に良かったと思う.今後社会人として仕事をしていく中で,大変なことが多いだろうが,これまでの経験を活かしてがんばっていきたい.
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