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大学生活で得たもの

日本大学 工学部 機械工学科 4年
浜野隼

 電子コンパスの執筆を依頼された後,私は真っ先にバイト先での経験を思い浮かべだ.非常に印象深い出来事だったと今でも実感しているので,その経験を述べることにする.

 大学に入学後,私は飲食店でバイトを始めた.バイトといっても毎月働くわけではなく,夏休みや春休みといった長期休暇にシフトを組んでもらう方式である.そのため,次回の長期休暇でもバイトをさせてもらえるように,週の大半はバイト先で1日を過ごしていた.

 非常に印象深い出来事はバイト歴1年くらいに起こった.キッチンでの仕事の他にホール側も任されるようになり,初めは「えっ,覚えることが増えて大変だよ」という気持ちで一杯だった.しかし,ホールでの経験がキッチンでの作業に大きな影響を与えたのである.ホール担当者は接客のために店内を歩き回る.このとき,仕事の効率を上げるために店内の構造を把握したり従業員やお客の行動パターンを分析したりする.これにより,キッチンで皿洗いなどをしつつも,時々ホールに出向いて食器を回収できるようになった.キッチンとホールで区別される仕事だが,店の回転率を向上させるためにはマルチに仕事をこなす必要があることを認識させられた.

 大学の卒業研究において,従来の講義のように覚えたことをただ吐き出しても意味がないことを痛感し,伝え方や考え方の重要性を理解した.バイト先では見える世界を広げたことで仕事に対するスキルアップを実現したので,大学院進学後はよりコミュニケーションを意識して自分磨きを図っていきたい.







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