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YouTubeから気付いた日本語の難しさ

岩手大学大学院 総合科学研究科 理工学専攻 機械・航空宇宙コース 2年
山本倖多

 最近ではSNSの普及により誰でも気軽に国際交流が可能な時代となり、コロナウイルス拡大に伴う自粛生活でさらにその規模は拡大している印象である。CAMBLYなどの英会話アプリも有名だが、私はYouTubeが好きなので海外の教育系YouTuberや、ゲーム実況者のチャンネルを見る機会が多い。特に日本語を学んでいる海外の方達とは利害が一致しするので、チャットなどで互いに勉強し合うことができる。その経験のなかで普段私が意識していなかった、日本語の難しさや日本語の考え方について新しく気付かされ、おもしろいと感じたことを紹介したいと思う。

 日本語が世界一、習得の難しい言語だという人は少なくはない。ある程度会話をするレベルまでならば難しくはないそうだが、最初につまずくポイントは「ひらがな、カタカナ、漢字、訓読み、音読み」という人が多い。文字だけでひらがな、カタカナ、漢字の3種類もあるのに、さらに2種類の読み方があるなんて、そんな外国語があるなら絶対に私は勉強したくないだろう。さらに「不知火」などの特別な読み方をする言葉があったり、最近だと「ぴえん」などのいわゆるスラングは次々と新しいものが出てきたり、その進化スピードは“えげつない”。アメリカ英語でも「Insane !(ヤバ!)」などのスラングはもちろん存在するが、ここまで進化のスピードは早くないという。恐らくだが日本人は昔から変わらず、今も言葉遊びが好きなのだ。若者言葉は正しくない日本語だ、と考えていたがこれもまた日本語の魅力なのかもしれない。

 さらにこれらを理解しても、まだ日本語は難しいと感じる人もいる。日本人のまわりくどく、曖昧に物事を話したり、お世辞を言ったりすることが真似できないからだ。これを理解するには「相手の気持ちを尊重し、相手の気持ちを考える」という、日本の文化を同時に理解しなければならないらしい。言霊という言葉があるように、私たちの心は言葉からできているからである。つまり、私たちは言葉をコントロールしていると勘違いしているが、同時に言葉も私たちをコントロールしているのだ。日本に在住歴が長い方は前より優しく日本人らしくなるらしいが、そういう言葉の力によるものではないだろうか。逆にいうと外国語を勉強するときにも、その文化を学ぶことでようやく、それらしい外国語を話すことができるとも考えられる。

 YouTubeを見て、意識していなかった日本語の難しさに気付くことができたと同時に、自分が果たして日本語をどれくらい理解できていたのか、と疑問に思った。グローバル化していく中で外国語の勉強も大事だが、日本語の勉強も疎かにしてはいけないと感じた。来月から社会人になるが、一人の社会人としても、”日本人として“も恥ずかしくない日本語を使っていきたい。







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