高専デザコンに参加して
一関工業高等専門学校 制御情報工学科 5年
長野昌生
令和2年12月4日,5日に第17回全国高等専門学校デザインコンペティションが開催され,構造デザイン部門に卒業研究の一環として研究室から3人チームで参加した。既定の寸法内での紙製の橋模型を製作,それに基づいた集中荷重載荷試験による載荷重審査やプレゼンテーション審査が行われた。今回このデザコンに参加し,ケント紙を用いた高強度な橋の設計・製作を行うことにより紙の材料的特性並びに高強度な構造の理解を深めることができた。
大会では橋模型への載荷試験による載荷点(50点),橋の軽さ・長さによる軽量点・橋長点(30点),プレゼンテーションや構造評価による審査員評価点(20点)の合計点により順位を決定する。そのため,耐荷性と長さ・軽さと構造的合理性を兼ね備えた橋を目標に設計を行った。
橋の設計にはSOLIDWORKSを使用し,解析を行うことで強度を確認しながら設計に取り組んだ。形を決定するために3人で各自が設計した橋をもとにコンペティションを行い,それぞれの橋の長所を組み合わせて橋の構造を決定した。決定した形は橋の路面部にハニカム構造を採用し,橋上部にはトラス構造を採用したものになった。
結果としては,想定していた耐荷性能よりもかなり小さい荷重で座屈してしまった。解析の際に使用していたヤング率が実際の物とは異なっていたことや,紙材が折れ部での剛性が低い可能性があるなどが原因として考えられた。建築を専門に学んでいるわけではないので仕方がない部分もあるが,3人で時間をかけて設計・製作した橋が想定よりも小さい荷重で壊れてしまったのは残念だった。しかし,チームとして一つの物を作り上げる難しさや楽しさを学ぶことができ,非常に良い経験をすることができた。
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