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コロナ禍での就職活動

仙台高等専門学校 専攻科 生産システムデザイン工学専攻 2年
村岡宜春

 2020年は新型コロナウイルスに振り回された一年だった。個人的に一番影響をうけたことは就職活動であったと思う。私は高専本科4年次に、とある企業(以下A社とする)のインターンシップに参加し、業務内容にとても魅力を感じたことから、高専卒業後はA社で働きたいと考えていた。
 2020年3月、A社の見学会があるということで、私は参加の申し込みをした。ところが、この頃から日本でも新型コロナウイルスの感染が拡大しはじめ、見学会はオンラインの説明会となった。当時、A社は新型コロナウイルスの影響を受け始めていた一方で、私は新型コロナウイルスの影響力を甘く見ており、そのうち収まるだろうと楽観視していた。
 4月に入り私はA社の1次面接をオンラインで受け、その結果を待っていた。しかし、当初予定していた選考結果発表の日に、結果発表が遅れる旨の連絡が入った。この頃になってようやく、このまま採用選考がなくなるのではないかということに気づき、急いで他の企業へのエントリーを始めた。高専生の就職活動では学校推薦で企業に応募することが多く、1社の選考のみ受けるというケースも稀ではない。実際私もA社の選考しか受けておらず、A社に入れるだろうと軽く考えていた。A社と同じ業種でエントリーを受け付けているところは時期的にも新型コロナウイルスの状況的にも多くなく、私がエントリーできた会社も2,3社であった。
 4月後半になりA社が採用を中断するというニュースがネット上で流れてきた。数時間後には正式な連絡がA社から入った。中止ではなく中断ということで、再開する可能性もあるということだったが、私が新卒でA社に入ることは実質不可能だろうと悟った。私にとってA社で働くことは一つの夢であったため、新型コロナウイルスによってそのチャンスを潰されたことがとても悔しく、残念であった。
 最終的に私は同業他社から内定を頂くことができ、春から働き始める。この業種で働くことはできないかもしれないと半分諦めていたため、内定を頂いたときはとても嬉しかった。A社で働くという夢は叶わなかったものの、こうして内定を頂けたことは何か運命的なものであったと考え、これからの仕事に精進していきたいと思う。







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