息子の名前

日本大学　工学部　機械工学科 4年
細川裕一郎

　私の家系では長男の名前に『郎』という字をつけるのが決まりというわけではないが慣例となっている．祖父がつけ忘れたという理由で長男なのに『裕二』という名前である私の父以外は、祖父も曽祖父も高祖父もまたは従兄弟に至るまでほとんどの親戚の長男の名前には『郎』がついている．
　長男である私の名前も例にもれず『裕一郎』である．由来は父の名前から漢字1文字もらい『裕』、1番初めに生まれたから『一』、長男だから『郎』でこの名前になったらしい．私が自分の名前の由来を知ったのは小学4年生の時、自分の名前の由来を調べるという授業でのことであった．同級生達の名前は太陽のように明るい人になってほしいだとか、幸せな香りがするからという意味でいろいろ考え抜いた末に決めてある中、自分の名前は一瞬で決まったように感じた.とはいえご先祖様達や父と同じ漢字を使っている自分の名前はそんなに嫌いではない.
　先日従姉に子供ができ名前を考えていて、もし自分に子供ができたらどんな名前にしようか想像してみた.私は自分の子供には他人を思いやれる優しい人間になってほしいので、『優』という字をつけたいと思っている.しかし息子だった場合、私には『優』と『郎』を組み合わせたかっこいい名前が思いつかないので、どちらかの字を切り捨てなければならず悩むところだ.
　自分の息子の名前をいろいろ考えてはみたが、私は人生3回あるといわれるモテ期が年少、年中、年長で終わっているので余計なことは考えず卒業論文作成に尽力していきたいと思う．