若いうちから旅をせよ

八戸工業高等専門学校　専攻科機械システムデザインコース　1年
小泉匠摩

　「若いうちから旅をせよ」. これは我が高専ALTの，ありがた〜い御言葉.それに感化された5人の若者は10時間の旅を始めたのでした.
　今回向かった場所は下北半島. 本州最北端の場所であり，毎年すしざんまいが最高値で仕入れるマグロの名産地でもある大間や，温泉につかりながら津軽海峡を一望できる下風呂温泉など美しい食・自然を味わうことができる場所の一つです. ここまで来るのは簡単なことではありませんが,多くの観光客でにぎわっています.
　大間に来た唯一の目的は「大間のマグロ」を食すことでした.大間にはいくつか, 大間のマグロを提供しているお店があります. 私たちが目星をつけていたお店はあまりにも長い行列があったので，隣のお店に30分並んで入店. 注文すると案外すぐに出てきました. みんなが黙々と食べている様子を見ると味わっているんだなぁって感じましたね. やっぱりおいしいですよ, 大変だけど行ってよかった, 食べてみてください. ちなみに安い定食の場合,外国産マグロの可能性があるので注意が必要です. ちなみに近くのお土産屋さんには, 乃木坂が訪れた際の写真が飾られていました. 2人の乃木ヲタは素直にテンションが上がってました（笑）.
　お腹がいっぱいになった5人は, 下風呂温泉へと足を運びました. 実は大間から車で10分くらいのところには温泉街があります. 今回行った温泉のお湯の温度はやや高め. 露天風呂では強い潮風によって少し気温が下がっていましたが, 温泉との相性はいい気がします. 定番のコーヒー牛乳, フルーツ牛乳はどこでもおいしいですよね. 落ち着きます.
　ウィッチャーをこよなく愛する彼は尻屋崎ですごく興奮していました. 彼の第一声目，にやけながら「おぉ（息もれ感）」. ウィッチャーの世界観と尻屋崎の世界観がマッチしていたようですね. 私はゲームに疎いので, 本人に聞いてみました.「この岬に波が当たる音,地面には緑が生え, 背の低い木たちが生えている感じ, まさにウィッチャーだ！私は, ゲラルトになったのか？」.
　楽しいのは観光地だけではありません. 誰かと一緒に出掛けると, 移動時間も楽しいものとなります. 到着してからの予定を話し合う. なぜか進路についても話し合う. 疲れたら,車の中はカラオケボックスになることも多いですね. 新しいミュージシャンに夢中になって道を間違えることも多々ありました. 初めて来たからしかたないよね, 間違えたって問題ないのです.
　今までに私たちは平泉や黒石といった場所へ車の旅をしてきました. そしてこれからも私たちはどこかにフラリと行くでしょう. どこへ行こうかなんて次から次へと出てきます.旅はいいもので, 新しい発見をできている気がするんですよね. 町が変わり, 県が変われば外の景色は変わります. 看板を見れば,そこにいるという実感が湧きます. 私たちって, 通学路, 研究室など毎日通る場所のことって意識的に目に入っていないのではないでしょうか.もちろん, なにか変化があれば気づくことはできますが, 常に気にしているわけではないですよね. しかし, 行ったことのない場所に行った時, 目に入るもの全てが新しく, 観察できているという実感が湧いてきます. この観察する力, 技術者, 研究者にとって大事ではないでしょうか. 研究では未知の現象や傾向をいくつかのデータ, 図から読み取ることが必要になります. 楽しみながら,自分の目を育てながら,どこかへ旅をしてみては？