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海外で働くということ

東北大学大学院 工学研究科 1年
海老原寛明

 突然ですが、皆さんは海外に興味を持ったことはありますか?私は大学に入ってから旅という趣味に目覚め、長期休みは毎回と言っていいほどどこかに旅に出ています。もともとは大学のサイクリング部で日本各地を旅していましたが、国内は大体行きつくしてしまったため 、海外進出することにしました。これまでタイ・マレーシアをはじめとする東南アジアから 、スリランカやインドといった少し変わった国まで計10ヵ国を旅しました。


 私はバックパッカースタイルで旅を敢行しています。とりあえず行きの航空券を取り、旅をする場所・その日の寝床等は現地の方々からの情報も踏まえ決めています。自由気ままに移 動し、現地の文化・風土に触れることは、私に大きな刺激をもたらしてくれ、これが旅することをやめられない理由でもあります。


 さて、話は変わりますが、私は現在大学院を一時休学し、イスタンブールにある企業で半年 間インターンシップを行っています。この記事もインターン先のオフィスで執筆しています 。弊社は主に日本や台湾からCNC (Computerized Numerical Control) 工作機器を輸入し、トルコ国内の企業に販売・アフターサービスを行っている会社です。トルコには欧州先進国の外資系自動車産業が多数進出しており、部品の加工から組み立てまで を全て国内で行っています。このことから工作機械は大きな需要があり、弊社もトルコ国内 に多数のカスタマーを抱えています。

 現在、インターンを開始して2ヶ月が経ちました。最初は先輩社員と共にお客さんの工場を回り、CNCで発生した技術的問題(各種電子部品の劣化による動作不良、拡張機能の整備 に伴うプログラム・パラメータ異常)を共に解決しながらCNCについて勉強していました 。現在は輸入担当の部署に移り、補修部品の発注や、弊社では解決できない技術的問題をサプライヤーに相談するといった仕事をしています。

 会社では外国人は私だけであり、全ての社員が英語を話せるわけでもないので、コミュニケーションには苦労していますが、今のところ何とか業務をこなせています。またこちらでは 現地で出会った友人2人とシェアハウスに住んでおり、価値観・考え方の異なる人々との共同生活を通じて色々学ばせてもらっております。

 旅ではその国の表層しか知ることができませんでしたが、今回のインターンでは現地の社会人として生活していることから、トルコという国について深く知ることができ、今までとは違った楽しさや、やりがいを感じています。

 海外に長期間滞在することに伴い必然的に卒業が遅れてしまうこともあり、今回のインターンも行くかどうかかなり悩みました。しかし、既に大手企業に就職した友人から「外国企業で働けるチャンスなんてほとんどないし、就職したらそういったことを考える余裕もなくな るよ」というアドバイスを受け、インターンを決意しました。

 この記事を読んでいる方々の多くは学生だと思います。月並みなアドバイスとなってしまいますが、学生の間は自分が「やりたい」と思ったことを行動に移せる絶好のチャンスですので、ぜひためらわずに挑戦してみてください。この記事が誰かの背中を押し、挑戦のきっかけとなってくれたなら、筆者として大変うれしく思います。




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