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「映画の中の科学技術」

岩手大学大学院 総合科学研究科 理工学専攻 機械・航空宇宙コース 1年
日本機械学会 会員番号 1830742 小川慶太郎




 私の趣味は映画を見ることだ.週に一回程度は劇場で新作映画を見に行ったり,DVDをまとめてレンタルして,週末の空いている時間に見たりする.好きなジャンルはSFやアクション,アメリカンコミック原作のスーパーヒーロー映画である.

 最近,ふと映画を見ていて感じることは,ありえないようなことが現代の科学技術で実現可能になるのでは,ということだ.例えば「アイアンマン」である.映画のストーリーはこうである.主人公は軍需企業の社長であり,天才科学者でもある.ある日,悪者たちに拉致され,そこで自らが開発していた武器が悪用されていたことを知る.とらわれの身である彼は洞窟の中で自作のパワードスーツを開発し,脱出する.その後,開発したパワードスーツを改良し,悪用されていた武器を自ら破壊し,アイアンマンというヒーローになっていくというものである(ストーリーとしてはまだまだ書きたいことはあるが歯止めが利かなくなりそうなのでこの辺でやめておく).この映画はちょうど十年前ほどに公開したもので,子供ながらにして,非常に感動し,自らもパワードスーツを開発できるようなエンジニアになりたいと思い,今の道に進んでいる.十年前は思いもしなかったけれど,現在の科学技術の発展により,劇的なパワードスーツは今では開発できるのではないかと思っている.現在,身体機能を拡張するようなロボットを様々な企業が盛んにしのぎを削って開発していて,完璧なロボットスーツも夢ではないと思っている.

 SFなどの映画の中でよく見られるのが,未来の家庭ではロボットが一家に一台あるということだ.白物家電を超えたロボット的なものとして,AIスピーカーやIoT対応家電が実現しており,それらは声で命令するだけで様々なことが可能になっている.  自動車の自動運転化の技術も日進月歩で加速している.各社が競うように研究開発に取り組んでいて,十年くらい前には,車の自動運転なんて,夢のまた夢くらいにしか思っていなかった.それこそ映画の中の世界だけだと思っていた.しかし,AIを代表するように,人工知能の急速な発達により,このような技術が現実のものになりつつある.このことを私は非常にうれしく思っている.

 最後に,映画の中の世界が現実になっていくことの面白さを体験できるこの時代に生きている私は非常に幸せであり,将来,エンジニアとして夢のある開発に携わりたいと強く願っている. 








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