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弓道の思い出

八戸工業高等専門学校 専攻科機械システムデザインコース 1年
西沢修平

 私は高専に入学してから現在まで六年間弓道部に所属している.中学の頃は卓球部であったがこの学校に進学するにあたり何か新しいことを始めてみたかった.沢山の部活や愛好会がある中でなぜ弓道部を選んだのかというと単純にカッコ良さそうだなと思ったからである.実際に弓を引いている先輩たちはとてもカッコよかった.そして入部をしたのだが,弓道は始めてしばらくの間は弓の代わりにゴムで素引きを行ったり,目の前の巻藁という的の代わりのものに向かって矢を打ったりという練習が続く.私はそれを五ヶ月ほど行った.(これらの基礎練習はとても大切なものなので今でもたまに行っている)この間に何度かくじけそうになったのだがなんとか的前に立つことが許された時は嬉しさと達成感が大きかった.今でも初めて的前で打った瞬間と,初めて的に当たった瞬間は鮮明に覚えている.それからは弓道が楽しくて仕方なかった.

 二年生の春に審査というものに初めて挑戦した.これは学科試験,入場から退場までの礼儀作法と弓の技術に応じて段級をもらうことができるものである.私はこの時偶然にも一本的に当てることができたのもあり,一級を取ることができた.周りの同級生たちは二級だったので口には出さなかったが内心とても嬉しかった.審査は今までに何回か受けてきて,現在は参段を持っている.死ぬまでに七段くらいまで取得したい.

  三年生では八戸高専弓道部史上初めて団体で全国高専大会に出場することができた.これは高専生活の中で最も印象的な行事の一つとなった.結果を残すことは残念ながらできなかったが自分の実力を知る良い機会となった.大会は奈良県で行われたので空いた時間にみんなで奈良公園などを観光したのも思い出深い.

 四年生になって部長となった.グループのリーダーになったことは今まで無かったので大変ではあったのだが,周りの協力もあり一年を通してその役割を全うできたのではないかと思う.この経験は自分の中で大きな自信となったので頑張って良かったと感じている.

 五年生では毎年一月に京都で行われ,新成人が参加する三十三間堂の通し矢に参加した.昔からニュースなどで見て参加したいと思っていたので自分がその場に立って矢を引くことができたのはとても感慨深かった.良い思い出となった.

 そして現在,専攻科に進学してからも弓道部に所属している.弓道を通じていざという時の冷静さと集中力,そして自信をある程度つけることができた.しかし弓道は歳をとってもできるものであり,奥が深いので六年間やっているからといってもまだまだ未熟な部分が沢山ある.なのでこれからもできる限り続けていき技術面,精神面などにおいて更なる成長をしていきたい.また,この学校の弓道部で弓道をすることができて本当によかったと思う.








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